「独立独歩(どくりつどっぽ)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「独立独歩(どくりつどっぽ)」の意味とは
独立独歩とは、自分の信念に従い、他人の力に頼らないことです。
「どくりつどっぽ」と読みます。
また「同じ特徴を持つものが他にないこと」を意味するケースもあります。
主に「独立独歩の精神」というふうに「~の精神」とセットで用いられます。
基本的に、自分自身の信念を貫き通したり、他人の意見に振り回されない人物を賞賛する表現です。
例えば「彼の独立独歩な精神なくして、このプロジェクトは成功しなかった」というふうにです。
このようにポジティブな文脈で使われるため、座右の銘やスローガンとして掲げられる場合も多いです。
例えば「独立独歩の精神で頑張ってまいりたいと思います」といった感じにです。
ちなみに漢字検定において、独立独歩の「独」は6級、「立」は10級、「歩」は9級に相当し、いずれも小学校低学年~高学年レベルの漢字で構成されている四字熟語です。
「独立独歩」の語源
「独立独歩」は「独立」と「独歩」という2つの単語が組み合わさっている言葉です。
「独立」の語源はわかりませんでしたが、「独歩」は禅宗の文献『無門関(むもんかん)』を由来とします。
『無門関』は中国の南宋時代に活躍した臨済宗の僧侶「無門慧開(むもんえかい)」によって編纂された仏教書です。
この中に以下の漢詩があります。
「大道無門(だいどうむもん)、千差有路(せんさみちあり)。透得此關(このかんをとうとくせば)、乾坤獨歩(けんこんにどっぽせん)。」
「大道に至るためには、定められた門というものがあるわけではなく、どこからでも入ることができる。そして、この無門の道を通ることができれば、何にも縛られない自由を手に入れることができる」というふうに意訳できます。
上記の漢詩のうち「乾坤獨歩」の「獨歩」が「独歩」の語源です。
ちなみに、明治期の小説家、国木田独歩の筆名もまた、この一節から考案されたものと言われています。
「独立独歩」の英語表現
独立独歩を英語で伝える場合は、以下3つの表現が一般的です。
・self-reliance
・self-help
・independent
「self」は「自分」、「reliance」は「依存」を意味します。
「自分に依存」すなわち「他人に力は求めない(独立独歩)」と解釈できます。
一方「help」は「助ける」なので、「self-help」で「自分を助ける」です。
転じて「他人に頼らない」という風な意味になります。
「independent」は「独立」を意味し、そのまま「他に頼らない」という意味の「独立独歩」を表現できます。
「独立独歩」の例文・用例
独立独歩を使った例文・用例を紹介します。
●親のすねをかじっている内は独立独歩とは言い難い。
●彼女は他人の助けを借りようとしない独立独歩な人柄です。
SNSでの「独立独歩」の使われ方
「独立独歩」の類義語
独立独歩の類義語は、「独立独行(どくりつどっこう)」「独立不羈(どくりつふき)」「独立自尊(どくりつじそん)」です。
いずれも「独立独歩」とほぼ同じ意味で「他人の力に頼らないこと」を指します。
独立不羈の「不羈」とは「拘束されない」という意味で、周囲のコントロールに束縛されない様が強調されている表現です。
また、独立自尊の「自尊」は「自己の尊厳を保つこと」という意味で、人に頼らずに自分自身の判断と責任でもって行動することによって、自分の尊厳を守る考え方です。
「独立独歩」の対義語・反意語
独立独歩の対義語は、「付和雷同(ふわらいどう)」「唯々諾々(いいだくだく)」
付和雷同とは、自分自身の考えが無く、他人の意見に同調してしまうことです。
唯々諾々とは、何にでも同意してしまう様のことです。