「画竜点睛(がりょうてんせい)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「画竜点睛(がりょうてんせい)」の意味とは
画竜点睛とは、物事を完了・完成させるための最後の仕上げを指す四字熟語です。
一般的に四字熟語単体で用いられることは稀で、「画竜点睛を欠く」と表現されることが多いです。
この表現は主に、大事な部分が抜けている作品や商品、中途半端な仕事やパフォーマンスなどを批判する際に用いられます。
ちなみに、「画竜」の読みは「がりゅう」ではなく「がりょう」であることに注意です。
中国から伝わる漢字の発音には大きく分けて「呉音」と「漢音」の二種類があり、「竜」を「りゅう」と読むのは呉音、「りょう」と読むのは漢音です。
日本では慣用的に後者(漢音)が「画竜点睛」の「竜」の正式な読みとして定着しています。
また、「画竜点睛」の「睛」は瞳(ひとみ)を指す漢字で、誤記として「晴」と書いてしまう人も少なくありません。
上記の理由から、大学入試などの試験において漢字の読み書き問題で出題されやすい四字熟語として知られています。
「画竜点睛」の語源と由来
画竜点睛の「画竜」とは「竜の絵」のことです。
また、「点睛」をそのまま読むと「最後の仕上げとして瞳(ひとみ)を描き加える」といった意味です。
すなわち「画竜点睛」を直訳すると「竜の絵に瞳を描き加えて仕上げる」と解釈できます。
転じて「物事を完了・完成させるための最後の仕上げ」のたとえとして用いられるようになりました。
この画竜点睛の由来となる逸話は、中国の六朝時代まで遡ります。
梁(りょう)の官邸画家として知られる張僧繇(ちょうそうよう)が、ある寺に瞳が描かれていない4匹の竜の絵を描きました。
「瞳を描くことによって、竜が空へ飛び去ってしまう」と言い張っていた張僧繇を、周囲の人々は信じていませんでしたが、4匹のうち2匹に無理やり瞳を描かせてみると、本当に竜が飛んで行ってしまったと伝えられています。
このような故事から「画竜点睛」は竜の瞳に限らず、物事を決める大事な部分や最後の仕上げを指す四字熟語として用いられるようになったのです。
「画竜点睛」はどんな時に使う?
前述したように、一般的に「画竜点睛」は「~を欠く」とセットで用いられることが多いです。
物事に対して「肝心なところが抜けている」「中途半端である」「詰めが甘い」「完璧とは言えない」といったネガティブな評価をする際に使います。
ただし、「画竜点睛」単体は「最後の仕上げ」といった中立的な意味であるため、「画竜点睛にこだわり抜いた素晴らしい作品だ」「彼の仕事は画竜点睛が欠けていない」などという風に、文脈によってはポジティブな用法も可能です。
「画竜点睛」の英語表現
画竜点睛を英語で言い換える場合には、主に以下の表現を用います。
・finishing touch
直訳すると「(絵を仕上げるための)最後の一筆」を意味し、転じて「最後の仕上げ」を指します。
また、「画竜点睛を欠く」の意味を伝えるなら、以下の表現を使います。
・It lacks the finishing touches(最後の一筆を欠いている)
「画竜点睛」の例文・用例
画竜点睛を使った例文・用例を紹介します。
●この論文は画竜点睛を欠いている。
●画竜点睛まで徹底された最高のパフォーマンスだった。
SNSでの「画竜点睛」の使われ方
「画竜点睛」の類義語
画竜点睛の類義語は、「点睛開眼」です。
点睛開眼(てんせいかいがん)とは、物事を仕上げるための最も大事な部分のことです。
画竜点睛と同様な由来と意味を持ちます。
「画竜点睛」の対義語・反意語
画竜点睛の対義語は、「蛇足」です。
蛇足(だそく)とは、最後に余計なものを付け足すことです。