「因果応報(いんがおうほう)」とは?意味と例文が3秒でわかる!

「因果応報」の意味とは

因果応報(いんがおうほう)とは、良い行いは良い結果を引き寄せ、悪い行いは悪い結果を招くという考え方のことです。

因は「因縁(原因)」、果は「果報(結果)」をそれぞれ意味しています。

古来より「良い行いが良い結果を引き寄せる(善因善果)」の意でも用いられていましたが、現代では「悪い行いは悪い結果を招く(悪因悪果)」の意のみで用いられるのが一般的です。

例えば、因果応報は以下のような場面に該当します。

「部下達を厳しく怒鳴りつけていたら、彼らが次第に指示を聞いてくれなくなった」
「お酒好きが高じて、体調を崩してしまった」

といった具合に、他者や自分に対して良くない行動を取ったことで、後々に悪い結果を招き寄せてしまった場合を指します。

上記の例では「お酒で身体に負担をかけた ⇒ 体調悪化」というように原因から結果を予測できますが、必ずしもこのような合理的な因果関係である必要はありません。

「部下に思わず怒鳴ってしまった。あくる日、転んで頭をぶつけた。まさに因果応報だ。」

というように、原因(部下を怒鳴った)と結果(頭をぶつけた)との間に直接的な関連性がない出来事に対しても、しばしば因果応報と表現されます。

また以下のように、自分に降りかかる結果の原因が、血縁者や先祖の行いであるパターンもあります。

「彼が今、お金に困っているのは、大昔に彼の曾祖父が高利貸しで貧しい人を苦しめていた報いだ。」

このように先祖の行いであっても「運命」や「呪い」のような神秘的な力が働き、子孫に報いが返ってくるという考え方は、今もなお根強く存在します。

「因果応報」の由来

因果応報は仏教を由来とする言葉です。

仏教の世界観において、生命は過去世・現世・来世といった風に生まれ変わりを繰り返します。

そして、今の自分の境遇(結果)が悪いのは、過去世の自分の行い(原因)が悪かったからだ、と考えます。

さらに、今の自分の行い(原因)の良し悪しによって、来世に生まれ変わる自分の境遇(結果)の良し悪しも異なります。

このように、過去世の行いが現世の結果に、現世の行いが来世の結果に影響するという考え方が本来の因果応報でした。

「現世は恵まれない人生だったが、今良い行いをしておけば、来世ではきっと幸福な世界が待ってる」

そう考えることによって、過酷な環境の中でも人は正しい道を歩もうと努力するわけですね。

現代の日本では、このような時空を超えた因果応報ではなく、あくまで現世の中での因果関係に対してのみ使われます。

「因果応報」の例文・用例

因果応報を使った例文・用例を紹介します。

✓例文・用例

●道端に唾を吐いたら、その直後に犬の糞を踏んづけてしまった。因果応報とは、まさにこのことか。
●良い奴は早死にし、悪い奴はしぶとく生き残る。俺は因果応報なんて信じない。

SNSでの「因果応報」の使われ方

「因果応報」の類義語

因果応報の類義語は、「自業自得」や「身から出た錆」、「自分で蒔いた種」等があります。

「自業自得(じごうじとく)」とは、「自分の悪い行いが、報いとして自分に返ってくる」という意味です。因果応報とほぼ同じ意味ですが、主に報いの原因が悪行である時に使います。

「身から出た錆」も同様に「自分の悪行によって苦しい状況に置かれてしまう」ことを指します。

「自分で蒔いた種」もまた同じ意味合いを持ちますが、自分の行為によって引き起こされた悪い結果に対して、責任を取らなければならない状況でしばしば使われます。

「因果応報」の対義語・反意語

因果応報の対義語は、「陰徳陽報」です。

「陰徳陽報(いんとくようほう)」とは、「良い行いをすることで良い報いを受ける」という意味です。

本来の因果応報には、陰徳陽報と同じ意が含まれているため、厳密には対義語とは言えません。

あくまで因果応報の現代的な用法(悪い行いをすると悪い結果を招く)に対立する言葉として紹介しました。

四字熟語

Posted by 杏奈琴湖