「一朝一夕(いっちょういっせき)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「一朝一夕(いっちょういっせき)」の意味とは
一朝一夕とは、短い時間・期間という意味の四字熟語です。
読みは「いっちょういっせき」です。
つい「一夕」を「いちゆう」と誤読しがちなので気を付けましょう。
「一朝一夕」を直訳すると「一つの朝と、一つの夕方」です。
一回の朝ないし夕方がほんの数時間のうちに過ぎ去ってしまうことから、短い時間・期間一般のたとえとして用いられています。
「ダイエットは一朝一夕では達成できない」のように、打ち消しの表現の中で用いられることが多いです。
逆に「高難易度のゲームだったが一朝一夕で攻略できた」というふうに、肯定文の中に用いられることは滅多にありません。
何かが達成されるまでの期間に対して短く感じられる時間・期間を指すため、具体的にどのぐらいの時間・期間を指しているのかは文脈によって異なります。
例えば、平均3週間で達成できる目標なら、一朝一夕はほんの数日間ぐらいを指していると考えられます。
一方、数十年かかる目標なら、一朝一夕が数か月あるいは数年を指していても不思議ではありません。
「一朝一夕」の語源や由来
一朝一夕は古代中国で著された書物である『易経』に語源があると言われています。
易経には一朝一夕を含む以下の文が記述されています。
「臣其ノ君ヲ弑シ、子其ノ父ヲ弑スルハ、一朝一夕の故ニ非ズ」
現代語に翻訳すると「君主や親が殺されるという現象は、一朝一夕には起こらない」という意味になります。
国家や家庭が揺らぐような一大事は、長い年月にわたって様々な要因が積み重なって起こるものだから、予兆を発見したらすみやかに対処すべき、という教訓が含まれています。
「一朝一夕」が使われている作品
日本文学の中には、文章の中で「一朝一夕」を用いている作品が少なくありません。
例えば、古くは14世紀後半に成立したと考えられている『太平記』にもあります。
「倩尋其濫觴者、匪啻禍一朝一夕之故」
「騒乱は一朝一夕にして起こったわけではない」という文脈で用いられています。
さらに、明治から昭和初期に活動した文豪、島崎藤村の長編小説『夜明け前』では、以下の文に「一朝一夕」を確認できます。
「旅人を親切にもてなすことは、古い街道筋の住民が一朝一夕に養い得た気風でもない」
同作には一朝一夕が含まれている一節がもう一つあります。
「けれども、亜米利加が日本の開国を促そうとしたは決して一朝一夕のことではないらしい。先方は断然たる決心をもって迫って来た。」
森鴎外もまた『雁』という作品で以下の文で「一朝一夕」を使っていますね。
「なかなか一朝一夕に解決の出来ぬ難問題を提出する」
「一朝一夕」の英語表現
一朝一夕を英語で伝える場合、以下の表現が一般的です。
・Overnight(一晩で)
・In a brief space of time(短時間で)
・ in a short time(短時間で)
・in a day(1日で)
・immediately(すぐに)
このように、英語には一朝一夕の意味を表現する言い回しは複数あります。
「一朝一夕」の例文・用例
一朝一夕を使った例文・用例を紹介します。
●ダイエットは一朝一夕で成功することはない。
●その技術は一朝一夕で身に着けられないものだ。
SNSでの「一朝一夕」の使われ方
「一朝一夕」の類義語
一朝一夕の類義語は、「「朝飯前」」です。
朝飯前とは、短い時間でも出来る簡単なことです。
「一朝一夕」の対義語・反意語
一朝一夕の対義語は、「永永無窮(えいえいむきゅう)」「未来永劫(みらいえいごう)」です。
永永無窮とは、果てしなく長いことです。
未来永劫とは、無限に続く年月のことです。