「喜怒哀楽(きどあいらく)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「喜怒哀楽」の意味とは
喜怒哀楽とは、人間が持っている「喜び」「怒り」「悲しみ」「楽しみ」という感情を表す四字熟語です。
喜怒哀楽が直接指している感情は上記の4つのみですが、転じて「人間は様々な感情を持っている」ことを意味します。
例えば、「驚き」や「恐れ」「憎しみ」「嫉み」「不安」といった多種多様な感情が人間の心には秘められています。
とは言え人間には個性があり、様々な感情が表に出るタイプの人がいれば、どのような感情を抱いているのか人目にはわからないタイプの人もいます。
しばしば、前者のようなタイプを「喜怒哀楽が豊か」と評価したり、後者のようなタイプを「喜怒哀楽に乏しい」などと言ったりします。
「喜怒哀楽」の表記に対する疑問
喜怒哀楽に関する一般的な疑問として、主に以下2つが挙げられます。
(1)なぜ「悲しみ」が「哀」なのか?
(2)「喜び」と「楽しみ」の違いは?
一つずつ説明します。
なぜ「悲しみ」が「哀」なのか?
喜怒哀楽では、「悲しみ」を表現する漢字として「哀」があてられています。
本来、「悲」は心が裂けるような気持ちを表現する漢字として成立したと考えられています。
一方、「哀」は衣で口を隠してむせび泣く様、あるいは死者がまとう衣を表現しています。
このように同じ「かなしみ」でも漢字の成り立ちが異なり、より深く強い感情である時には後者のほうが適していると考えられています。
そのため、喜怒哀楽には「哀」が採用されているのです。
「喜び」と「楽しみ」の違いは?
喜怒哀楽のうち「喜」「楽」は、かなり近い意味合いに感じられます。
「喜」すなわち「喜び」とは、自分や他者の成功や幸福な体験をした際に生じる感情のことです。
一方、「楽」すなわち「楽しみ」とは、自分の欲求が満たされている状態を指します。
「喜怒哀楽」の語源・由来
喜怒哀楽の出典は、中国の春秋・戦国時代に成立したとされる『中庸』という思想書です。
『中庸』には、以下の一節があります。
「喜怒哀樂之未發、謂之中」
(喜怒哀楽を未だ発せざる、これを中という)
意味は「喜怒哀楽が生じる前の状態を『中』という」です。
現代の意味合いと同様に、喜怒哀楽は人間が持ちうる感情全般を指しているようです。
『中庸』の文脈では、感情を昂らせたり、抑え込んでしまうことがあるが、バランス良くコントロールすることの大切さを説いています。
「喜怒哀楽」の英語表現
「喜怒哀楽」を英語で伝える場合は、以下の表現が一般的です。
・emotions(色々な感情)
・feelings(様々な気持ち)
喜怒哀楽を形容詞として表現したい場合は「emotional」を使います。
例えば「She is very emotional person. (彼女は感情が激しい人です)」といった感じです。
また、喜怒哀楽の4つの感情を特定して表したい場合は
・joy, anger, grief and pleasure
というふうに言い換えられます。
「喜怒哀楽」の例文・用例
喜怒哀楽を使った例文・用例を紹介します。
●私の上司は喜怒哀楽が激しい人です。
●彼の演技は喜怒哀楽を見事に表現している。
SNSでの「喜怒哀楽」の使われ方
「喜怒哀楽」の類義語
喜怒哀楽の類義語は、「嬉笑怒罵(きしょうとば)」「悲喜交々」です。
嬉笑怒罵とは、感情のことです。
悲喜交々とは、様々な感情が同時に起こる様子のことです。
「喜怒哀楽」の対義語・反意語
喜怒哀楽の対義語・反意語はありませんでした。