「明鏡止水(めいきょうしすい)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「明鏡止水」の意味とは
明鏡止水(めいきょうしすい)とは、邪念がなく、澄み切って静かな心境を表す四字熟語です。
「明鏡止水の心」や「明鏡止水の境地」といったように、明鏡止水の後に心境を表す言葉を用いることが多いです。
「明鏡止水」の語源
「明鏡止水」は「明鏡」と「止水」という似た言葉を2つ合わせた言葉です。「明鏡」は塵や垢がついていない、曇りのない鏡のことで、「止水」は止まって流れない静かな水のことを指します。なお、「明鏡」は「めいけい」とも読みます。
これらの由来となっているのは、どちらも「荘子」の「徳充符篇」に書かれた寓話です。
「明鏡」の由来となった話に登場するのは、刑罰により足を失った「申徒嘉」と、宰相の「子産」です。2人は同じ先生のもとで学んでいました。ある日、子産が申徒嘉に対して見下した発言をしたとき、申徒嘉は、同じ先生のもとで学ぶものは対等だと伝え、「鏡はよく磨かれていれば塵や垢がつかないが、汚れていれば塵や垢がついて曇ってしまう」と反論しました。つまり、片足を失った申徒嘉への偏見や、自分が宰相であるという傲慢な気持ちを、鏡の汚れや曇りに例え、その反対に偏見や傲慢な気持ちのない澄んだ心のことを、汚れや曇りのない鏡に例えて「明鏡」と表しています。
「止水」の由来となった話には、孔子が弟子の常季と会話をしている様子が書かれています。刑罰により足を失った「王駘」のところに多くの弟子が学びに行っていたことを常季は不満に思い、なぜ博学でない王駘のところに弟子が集まるのかと尋ねました。これに対し、孔子が「人は流水ではなく止水を鏡として使う。止水のように穏やかな人は周りにも安らぎを与えてくれるので、人が集まってくる」と説明したことから、止まった水のように穏やかな心を「止水」と表すようになりました。
「明鏡止水」の英語表現
明鏡止水を英語で表すと次のような表現になります。
・calm and clear(明鏡止水)
・become calm and clear in one’s heart(明鏡止水の境地に至る)
[例]・He became calm and clear in his heart.(彼は明鏡止水の境地に至った)
[出典:ジーニアス和英辞典]
「明鏡止水」の例文・用例
明鏡止水を使った例文・用例を紹介します。
●明鏡止水の気持ちで新年を迎えました。
●明鏡止水の心境で試合に挑もう。
SNSでの「明鏡止水」の使われ方
「明鏡止水」の類義語
明鏡止水の類義語は「心頭滅却(しんとうめっきゃく)」や「虚心坦懐(きょしんたんかい)」です。
「心頭滅却」は心から邪念を払うこと、「虚心坦懐」は心にわだかまりがなく、落ち着いていることを表す四字熟語です。
「明鏡止水」の対義語・反意語
明鏡止水の対義語・反意語は「疑心暗鬼(ぎしんあんき)」や「意馬心猿(いばしんえん)」です。
「疑心暗鬼(ぎしんあんき)」はすべてのことを疑わしく思うこと、「意馬心猿」は煩悩や情欲・妄念のために、心が乱れて落ち着かないことを表す四字熟語です。