「二律背反(にりつはいはん)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「二律背反」の意味とは
二律背反(にりつはいはん)とは、1つの事柄から生じた2つの結果が、ともに成り立つと同時に矛盾している状態を表す四字熟語です。
「業務の効率化のために導入したシステムの使い勝手が悪く、社内講習会やマニュアル作成などの業務でかえって残業続きになってしまう」、「上司から有給休暇を取るように促され、休暇前日まで残業続きになる」など、ビジネスシーンでは特に、このような矛盾する状態が頻繁に起こります。
「二律背反」の語源
「二律」は、2つの命題、「背反」は、矛盾していることを意味します。
したがって、「二律背反」は、矛盾する2つの命題が同時に成立することを意味する言葉です。
「二律背反」は、哲学の用語「Antinomie(アンチノミー)」の訳語です。
「アンチノミー」とは、一見、正反対の2つの事柄に対して「どちらも正解とならないまま、両方が存在してしまう」という論理的に矛盾した状況を示したもので、ドイツの哲学者・カントの基本理念です。
「二律背反」の英語表現
二律背反を英語で表すと次のような表現になります。
contradiction(『ジーニアス英和辞典』)
paradox(『ウィズダム英和辞典』)
antinomy(『ランダムハウス英和大辞典』)
「二律背反」の例文・用例
二律背反を使った例文・用例を紹介します。
●働き方改革でノー残業デーができた代わりに給料が減ったのは二律背反だ。
●二律背反する上司からの指示に、部下たちが困惑している。
SNSでの「二律背反」の使われ方
「二律背反」の類義語
二律背反の類義語は「矛盾」や「相反」です。矛盾は「辻褄が合わないことや両立しないこと」、相反は「互いに反対の関係にあること」を意味します。
「二律背反」の対義語・反意語
二律背反の対義語・反意語は「調和」や「一致」です。調和は「いくつかのものが矛盾なく互いにほどよいこと」、一致は「2つ以上のものが、食い違いなく1つになること」を意味します。