「一挙一動(いっきょいちどう)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「一挙一動」の意味とは
一挙一動とは、一つ一つの動作や仕草、振る舞いのことです。
「いっきょいちどう」と読みます。
「立ち振る舞い」を意味する「挙動(きょどう)」を分かち、それぞれに「一」を添えることで「一つ一つの振る舞い」であることが強調されています。
一挙一動には「動」すなわち「(身体の)動き」が意味に含まれているため「一挙一動の動作」等の用法は二重表現となり、誤りです。
一般的に、誰かの日頃の行いや振る舞いを賞賛する文脈で用いられることが多いです。
「社長のご息女は一挙一動に品がありますね」
「イケメン俳優の一挙一動に魅了されてしまう」
「緊急時の先輩の一挙一動は完璧だった」
またニュースや新聞では、有名人や権力者の行動を「一挙一動」と表現する場合があります。
「カリスマ政治家の一挙一動に注目が集まる」
「日本代表の試合は海外組の一挙一動に目が離せない」
https://youtu.be/deoF5HnFp5M
「一挙一動」と「一挙手一投足」の違いは?
一挙一動とよく似た言葉として「一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)」があります。
一挙手一投足には、以下2つの意味があります。
1.ひとつひとつの立ち振る舞い
2.ちょっとした努力
「1」の意味は一挙一動と同義です。
一方「2」の意味は一挙一動に含まれていません。
例えば、以下のような文脈で使います。
「一挙手一投足の努力を軽んじてはならない」
「彼の成功の秘訣は一挙手一投足の労を惜しまないことだ」
このように「小さな努力」の大切さを説く際に用いられることが多いです。
また「一挙手一投足」のほかに「一言一行(いちげんいっこう)」という言葉があります。
「ちょっとした発言や行動」という意味で、一挙一動とほぼ同義と言えます。
ただし、一挙一動は「ちょっとした発言」に対して用いられることは稀です。
一言一行は例えば、以下のような文脈で使います。
「師匠の一言一行を忘れずに心得ている」
「何気ない一言一行が人を傷つけることもある」
文学作品における「一挙一動」の用例
一挙一動は多くの文学作品に登場する言葉の一つです。
例えば、夏目漱石は長編小説『彼岸過迄(ひがんすぎまで)』の中で、以下のように表現しています。
「彼等の水中で遣る所作が、一挙一動ことごとく手に取る様に見えるので」
また、芥川龍之介の短編小説『舞踏会』にも「一挙一動」を見つけることができます。
「しかし明子はその間にも、相手のフランスの海軍将校の目が、彼女の一挙一動に注意しているのを知っていた。」
さらにドイツ文学者で小説家の柴田翔は『食堂の話』の中で、「一挙一動」を以下のように用いています。
「彼女は、料理にはほとんど手をつけず、嬉しさに顔を輝かせて私の一挙一動を眺めていました」
「一挙一動」の例文・用例
一挙一動を使った例文・用例を紹介します。
●プロ選手の一挙一動を真似してみる。
●ベテラン職人の一挙一動には目を見張るものがある。
SNSでの「一挙一動」の使われ方
「一挙一動」の類義語
一挙一動の類義語は、「一挙手一投足」「一言一行」です。
一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)とは、「ひとつひとつの立ち振る舞い」または「ちょっとした努力」を指す言葉です。
一言一行(いちげんいっこう)は、「ひとつひとつの発言や行動」のことです。
「一挙一動」の対義語・反意語
一挙一動の対義語・反意語はありませんでした。