「落花狼藉(らっかろうぜき)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「落花狼藉」の意味とは
落花狼藉とは、女性や子供に乱暴をふるうことを意味する四字熟語です。
「らっかろうぜき」と読みます。
「落花」と「狼藉」とに分解でき、それぞれ単体で意味があります。
まず「落花」とは「花が散っている様子」または「地面に散り落ちた花びら」を指します。
また「落花」と表現する時、主に桜を指しているものと考えられます。
一方「狼藉」は「不規則に散らかっている様子」のことです。
一説によると「狼の寝床」を意味する言葉だったと言われています。
狼が寝た後の地面に草が散らかっていたことから「不規則に散らかっている様子」の表現として用いられるようになりました。
以上のことから、落花狼藉を直訳すると「花びらが無秩序に散り落ちている状態」となります。
あるいは花びらに限らず、何かが散乱している状態を表す場合もあります。
ただし現代では「花」を「女性」または「子供」に見立てて「女性や子供に乱暴をふるうこと」の表現として用いられることが多いです。
ちなみに漢字検定における落花狼藉の難易度は、それぞれの字によって異なります。
「落」は8級、「花」は10級、「狼」は準一級、「藉」は一級相当です。
四字熟語として間違われやすい点として、まず「落花」を「落下」と書いてしまうことを挙げることができます。
また、「狼藉」の「藉」を「籍」と書いてしまうのはNGです。
「落花狼藉」の語源
落花狼藉の四字熟語としての語源は大江朝綱(おおえのあさつな)によって作られた漢詩『惜残春』だと言われています。
大江朝綱は、平安時代の前期から中期にかけて活躍していた公卿、学者です。
大江は『惜残春』の中で以下の詩を残しています。
「落花狼藉風狂後 啼鳥龍鐘雨打時(落花狼藉たり風狂じて後、啼鳥竜鐘たり雨の打つ時」
現代語で訳すと「風が吹き荒れれば花びらが一面に散り乱れ、雨が降れば鳥の鳴き声にも元気がない」というような意味になります。
ちなみに『惜残春』は、平安時代中期の歌人である藤原公任(ふじわらのきんとう)が漢詩・漢文をまとめた『和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)』にも収録されています。
「落花狼藉」の英語表現
「ものが散乱している状態」という意味で、落花狼藉を英語で表現したい場合「in terrible disorder」が一般的です。
「terrible」は「ひどい」、「disorder」は「散らかっている」という意味で、合わせて「ひどく散らかっている状態」と訳せます。
一方、「乱暴を振るう」という意味では「violate(暴行を加える)」が近い表現と考えられます。
「落花狼藉」の例文・用例
落花狼藉を使った例文・用例を紹介します。
●若い頃は落花狼藉を働いた。
●彼の落花狼藉を許すわけにはいかない。
SNSでの「落花狼藉」の使われ方
「落花狼藉」の類義語
落花狼藉の類義語は、「落花流水(らっかりゅうすい)」「杯盤狼藉(はいばんろうぜき)」です。
落花流水は、散り落ちた花が水に流れてゆく様のことです。
杯盤狼藉は、酒宴などで杯(さかずき)や皿などが散らかっている状態のことです。
「落花狼藉」の対義語・反意語
落花狼藉の対義語は、「品行方正(ひんこうほうせい)」です。
品行方正とは、行動が模範的で正しいことです。