「無敵の人」とは？意味と例文が３秒でわかる！
「無敵の人」の意味とは
無敵の人とは、失うものが何もない人という意味のネットスラングです。
「失うものが何もない」とは、職もなく、財産もなく、社会的な信用もなく、守りたい人もいない、というような状態をさします。
自分のことすらどうでもいいとなっているため、何をされても痛くもかゆくもないという状態をさして、「無敵」と表現しています。
「無敵の人」の語源
無敵の人の語源は、ネット掲示板２ちゃんねるの創設者のひろゆき(西村博之)氏が、2008年頃に自身のブログのなかで提唱したものと言われています。その内容は以下の通りです。
逮捕されると、職を失ったり、社会的信用が下がったりします。
元々、無職で社会的信用が皆無の人にとっては逮捕というのは、なんのリスクにもならないのですね。花輪和一さんの刑務所の中とか読んじゃったりすると、「刑務所もそんなに悪いとこじゃないのかもねー」とか思っちゃったりもするかもしれません。（中略）
でも、現在はインターネットを使った犯行予告をすることで、警察官を特定の場所に動員したり、飛行機を遅らせたり、警備員を走らせたりするぐらいの発言力が手に入ってしまっているわけです。
彼らは、それなりの社会的影響力を行使できる状態にあるのですね。
でも、欲望のままに野蛮な行動をする彼らを制限する手段を社会は持っていなかったりするわけです。
ちなみに個人的に、こういう人を「無敵の人」と呼んでいたりします。
出典：ひろゆきの公式ブログ
「無敵の人」の特徴
犯罪に手を染めることに対する恐怖心が通常の人よりもはるかに低いということが問題視されています。
無敵の人は、職や財産や社会的な信用などを失うことを苦にしない（そもそもそういったものを持たない）ため、犯罪を起こすことへためらいがないことが特徴の一つとして挙げられます。
罪を犯すと逮捕されますが、無敵の人にとって、逮捕されることも痛くもかゆくもありません。逮捕されることは、単に生活する環境が変わったというだけのことです。
たとえ、死刑となっても、生きることへの執着がないため、自殺を手助けすることにしかなりません。無敵の人の感覚としては、逮捕とは、生活の場が変わるだけで、むしろ自分が警察を含めて多くの人間に影響を与えたと思わせることになります。
「無敵の人」の普及の背景
犯罪を起こし、その犯人が逮捕されても、反省の色がまったくみえないという事件が起こるようになり、ネット上で「無敵の人」という表現が広がりました。
無敵の人予備軍
将来「無敵の人」になる可能性があるという意味です。社会から孤立し、失うものがなにもない状態になっていく過程をさして、用いられることがあります。
―完全に無敵の人予備軍だわ。
無敵の人事件
ある犯罪が起こり、犯人が逮捕されても反省の色をまったくみせなかったり、逮捕されたこと自体を苦にしていない状況が報道されると、「無敵の人事件だ」と表現されます。「無敵の人事件」として取り上げられる事件は、複数存在しています。
「黒子のバスケ脅迫事件」では、犯人が裁判のなかで、「無敵の人に、社会はどう向き合うのかを考えるべき」と表現したことが知られています。
黒子のバスケ脅迫事件
2012年10月から、週刊少年ジャンプで連載していた漫画「黒子のバスケ」の作者である藤巻忠俊さんや、作品に関連する場所やイベント会場が次々と脅迫された事件です。2013年12月に、犯人は逮捕されました。
犯人は「人生格差犯罪」と名づけて犯行に及びました。作者の藤巻さんの人生と自分の人生が違いすぎることが犯罪の原因となったと供述しています。
また、裁判において、「無敵の人に、社会はどう向き合うのかを考えるべき」、「こんなクソみたいな人生、やってられないから、とっとと死なせろ」と叫びました。
犯人の置かれていた状況や犯行の動機は、多くの人の注目を浴び、社会問題として取り上げるメディアもありました。
「無敵の人」の別の意味や使われ方
同名の漫画が複数刊行されています。
甲斐谷忍氏による漫画
2016年に発表され、『週刊少年マガジン』、のちに『マガジンポケット』（アプリ配信）に掲載された。麻雀漫画。単行本全四巻。
きづきあきら＆サトウナンキ夫妻による漫画
2019年に発表され、『月刊アクション』、のちに『コミックシーモア』（アプリ配信）などにて掲載された。無敵の人によって無敵の人を始末するという内容。単行本全三巻。
「無敵の人」の例文・用例
無敵の人を使った例文・用例を紹介します。
●また無敵の人の事件か。
●無敵の人はどうすれば止められるんだろう。
SNSでの「無敵の人」の使われ方
「無敵の人」の類義語
無敵の人の類義語はありませんでした。
「無敵の人」の対義語・反意語
無敵の人の対義語・反意語はありませんでした。