「マスターアップ」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「マスターアップ」の意味とは
マスターアップとは、ソフトウェア(主にゲーム)の開発過程における最終段階を指す言葉です。
ゲームソフトの開発段階は、一般的に以下のように区分けされます。
1.プロトタイプ版(試作品)
2.アルファ版
3.ベータ版
4.マスターアップ版(製品版)
すでにベータ版において、全体を通してプレイ可能な状態にまで完成されていますが、この段階で発生していたバグを全て解消し、商品として販売できる基準に達することをマスターアップ(版)と呼びます。
すなわち製品版の完成と同義であるため、マスターアップの予定日は開発に関わる業務の「納期」を意味します。
あくまでソフトウェア開発における最終段階を指し、その後にディスクや説明書、パッケージの製造といった販売までの準備過程に移ります。
また、「発売日」はマスターアップを前提としてスケジュールが組まれるため、納期までにマスターアップが完了しない場合は「発売延期」という事態になり得ます。
本来「マスターアップ」は業界用語としての側面が強いものの、ゲーム製作者がSNSなどで「マスターアップ完了しました」と消費者に向けて報告する機会が増え、一般的に普及するきっかけを作りました。
このような報告は主に同人ゲームやPC用ゲームの製作者によって行われることが多く、家庭用ゲームの制作会社から発表されることは稀です。
「マスターアップ」後に発売延期した事例
前述のとおり「マスターアップ」とは「製品版の完成」と同じ意味なので、予定通りにマスターアップが完了しさえすれば、発売日が延期されることは滅多にありません。
そのため、マスターアップが完了しているにも関わらず発売延期となると、ネット上で珍しい事例として取り沙汰されることが多いです。
例えば、「ETERNAL」製作のアダルトADV『Nega0(ネガゼロ)』はマスターアップが完了し、09年8月28日に発売が予定されていましたが、急遽およそ一か月後の9月25日へと発売延期となりました。
延期の理由は「印刷物に不適切な表現があったため」とのことです。
また、「ぼとむれす」が手がける『おまかせ!とらぶる天使』はマスターアップが2回行われましたが、当初の発売日05年5月27日から延期を繰り返し、結局発売されなかったという例もあります。
ちなみに、昨今の事例としては『サイバーパンク2077』が大きな話題を呼びました。
マスターアップの完了を報告し20年11月19日の発売を予定していましたが、12月10日への発売延期が伝えられました。
開発会社の「CD PROJEKT RED」は既存の作品においても、発売延期を繰り返すことで有名なスタジオでしたが、マスターアップ後の延期は今回が初めてのことでした。
同社の本間覚氏はマスターアップ報告後のコメントで「再延期は天変地異以外ありえません」と言っていることから、ゲーム業界において「マスターアップ後の発売延期」が未曽有の事態であるという認識を持っていることが推察できます。
「マスターアップ」の例文・用例
マスターアップを使った例文・用例を紹介します。
●ついにマスターアップが発表された!発売まで楽しみ!
●マスターアップ予定日が近づいている。急いで納品しないと。
SNSでの「マスターアップ」の使われ方
「マスターアップ」の類義語
マスターアップの類義語はありませんでした。
「マスターアップ」の対義語・反意語
マスターアップの対義語は、「プロトタイプ」です。
プロトタイプとは、本格的な開発に着手する前の段階、および試作品を指す言葉です。