「いなす」とは?意味と例文が3秒でわかる!

2021-01-19

「いなす」の意味とは

いなすとは、相撲で相手力士が突っ込んできたところを上手くかわす動作のことです。

「いなす」の語源

いなすは漢字だと「往なす」または「去なす」と表記します。
「往」という字も「去」という字も、その場からどこかへ離れて行ってしまうという意味を持ちます。そして「往ぬ/去ぬ(いぬ)」という動詞の未然形「いな」に、相手に何かをさせるという意味の助動詞「す」がついているため、「いなす=離れさせる、行かせる、帰らせる」といった意味になります。

そこから、相撲においては相手からの攻撃を自分から離れさせるような動作を「いなす」と呼ぶようになりました。名詞は「いなし」です。

「いなす」のポイント

相手力士の攻撃をいなす場合は、正面から受け止めずに、自分の身体を左右にかわして相手の体勢を崩します。この時相手の身体に軽く手をつき、自分の左右どちらかを後ろに少し引くことで、相手の力をうまくそらすのがポイントです。この場合相手は「いなされた」という状態になります。

「いなし」は相撲のテクニックのうちのひとつで逃げているわけではありません。しかし、横綱がいなす形ばかり使うのはあまり好ましくないとされています。

「いなす」の別の意味や使われ方

相撲以外の日常でも「いなす」という言葉は使われています。代表的なものをご紹介します。

質問などをはぐらかす

言葉での攻撃や追及をかわす時に使われます。
相手から追及されたり核心をつく質問をされた際に、答えずに軽くあしらったりはぐらかしたりするような状況を指します。
例:「昨日のことを聞いても関係のない話ばかりされ、結局いなされてしまった」

帰らせる

いなすには、帰らせるという意味もあります。単純に家に帰らせる、またはそこから転じて離縁するといった場合に使われます。主に関西や広島県の方言だとされています。
例:「そろそろ家にいなした方がいいかな。」

「いなす」の例文・用例

いなすを使った例文・用例を紹介します。

✓例文・用例

●最初のツッパリをうまくいなしたことで一気に有利になった。
●ここという時にいなすのも相撲のテクニックのうちのひとつです。

SNSでの「いなす」の使われ方

「いなす」の類義語

いなすの類義語は、「はぐらかす」「かわす」「あしらう」です。
それぞれご紹介します。

はぐらかす

核心を突かれても誤魔化したり、一緒にいる人に気づかれないように離れる、撒くという意味です。

かわす

言葉での追及からうまく逃れるという意味の他に、身をひるがえして攻撃などを避けるという意味があります。「いなす」を説明する際にもよく使われる言葉です。

あしらう

「あしらう」というのは本来、「応答する、もてなす」という意味です。
そこに「軽く」「冷たく」「鼻で」とつくことで、みくびって適当に扱うという意味になり、転じて「あしらう」だけで「いい加減に扱う、適当に応対する」というニュアンスで使われるようになりました。
そのため、言葉での追及に対しては類語といえますが、相撲のテクニックとしては意味が異なってきます。

「いなす」の対義語・反意語

いなすの対義語・反意語はありませんでした。