「行き所のない駒」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「行き所のない駒」の意味とは
行き所のない駒とは、将棋で最後まで動かせない駒のことです。
具体的には、相手の陣地における一段目に「歩兵」「香車」、一段~二段目に「桂馬」が置かれている状態を指します。
例えば、「▲6一歩」「▲9一香」「▲4一桂」「▲3二桂」などです。
これらは左右や後方に引き返すことができないため、成らない限り最後まで動かせません。
例えば「▲4三桂」を「3一」へと進める際には「▲3一桂成」とする必要があります。
「と金」「成香」「成桂」は金将と同じ利きになるため、どのマスに配置されても(他の駒に防がれない限り)身動きの取れない状況は発生しません。
行き所のない駒は、将棋における禁じ手の一つであり、反則行為と見なされて敗北します。
これらの地点に進んだ場合には必ず成らなければならない、とするルールは江戸時代の名人、二代大橋宗古が考案したと言われています。
ただし、プロの公式戦において、実際に行き所のない駒と判定されて反則負けになった事例は、今のところありません。
また、一般的な将棋ソフトでは、行き所のない駒となってしまうマスに該当駒を打てなかったり、進める場合は自動的に「成る」ような仕様になっています。
ちなみに、他の将棋に類するボードゲームにおいても「行き所のない駒」と同様に、ある地点で利きを失う駒が存在します。
例えば、チェスの「ポーン」やマークルックの「ビア」、シャンチーの「卒」などです。
これらは動けなくなる地点に進むと必ず成る必要があったり、あるいは移動範囲が広がるなど、行き所のない駒が発生しないようなルールになっています。
「行き所のない駒」の例外
「▲1一銀」「▲2二龍」あるいは「▲9一角」「▲8ニ金」というようなケースでは、「▲1一銀」「▲9一角」の利きが周囲の駒とボーダーラインに阻まれてしまいます。
身動きが取れない状況という意味では「行き所のない駒」と同じですが、利きを妨害している駒を他のマスに移動することで動けるようになります。
このように、指し方によって動かすことが出来る状態の駒は、禁じ手とは見なされません。
「行き所のない駒」が原因で詰みとなるケース
行き所のない駒が反則負けになるルールがあることで、相手の攻めを受ける局面において制約が生じる場合があります。
例えば、「▲1一玉」が「△3一飛」「△2三馬」と先手が後手に王手をかけられていて、先手の持ち駒として「桂馬」「香車」「歩兵」がある状況を思い浮かべてください。
本来、先手が「2一」に合駒を打つことができれば、玉を逃がすことができます。
しかし、持ち駒のいずれも該当のマスに打ってしまうと「行き所のない駒」になってしまいます。
それでは反則負けになってしまうため、この時点で先手は詰みと判定されます。
「行き所のない駒」の例文・用例
行き所のない駒を使った例文・用例を紹介します。
●初心者の頃は行き所のない駒を平気で指していたな。
●そのマスに持ち駒を打つと行き所のない駒になってしまう。
SNSでの「行き所のない駒」の使われ方
「行き所のない駒」の類義語
行き所のない駒の類義語は、「死に駒」です。
死に駒とは、駒がどこにも進めなくなるマスに配置することで、行き所のない駒と同じ意味です。
「行き所のない駒」の対義語・反意語
行き所のない駒の対義語・反意語はありませんでした。