「棋譜を汚す」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「棋譜を汚す」の意味とは
棋譜を汚すとは、将棋で終盤に悪手を繰り返すこと、またはあきらかに負けている局面で投了せずに打ち続けることを意味する言葉です。
読みは「きふをよごす」です。
「棋譜が汚れる」とも表現します。
一般的に後者(投了せずに打ち続ける)の意味で用いられることが多いです。
「汚す」とあるように、しばしば投了をしないプレイヤーに対する批判として用いられます。
将棋の勝敗は、主に以下5つのパターンのいずれかで決まります。
・詰み
・反則
・入玉(にゅうぎょく)時の特別ルール
・千日手(せんにちて)
・投了(とうりょう)
「詰み」とは、相手がどのような手を指しても、次で玉を取れる状態のことで、将棋における最もオーソドックスな勝ち方です。
また、反則の手を指してしまうと負けになります。
入玉とは、相手の陣地に自分の玉が入ることです。
この場合、勝敗を決めるのが難しくなるため、特別ルールにより勝利、または引き分けになります。
さらに、お互いに同じ手が何回か繰り返されることを「千日手」と呼び、引き分けと判定されます。
そして、実際の対局において最も多く行われる決着の付け方が「投了(とうりょう)」です。
投了とは、圧倒的な敗勢下において降参を宣言して、試合を終わらせることです。
とりわけプロ将棋において、勝ち目が無いと判断して敗北を潔く認めることを「投了の美学」として賞賛する傾向があります。
一方、誰が見ても勝負が決まっているのに投了をしないプレイヤーは「棋譜を汚す」と非難されてしまうことが多いです。
「棋譜を汚す」を巡る議論
とは言え、見方を変えると投了をせずに打ち続けることは「勝負を最後まで諦めない姿勢である」とも評価できます。
これを投了の美学に反する「棋譜の汚す」行為とネガティブに捉えるか、あるいは「不屈の精神」とポジティブに受け取るかは、現在もなお将棋ファンや棋士の間で議論が白熱することがあります。
例えば、2013年3月から4月にかけて開催された「第2回将棋電王戦」では、現役のプロ棋士と高性能な将棋ソフトとの団体戦が行われました。
その第四局にあたる塚田泰明九段と『Puella α』の対局において、塚田九段は100%勝ち目なしと考えられる形勢にまで追い詰められてしまいました。
しかし、投了をせずに打ち続け、激しい攻防戦の末に引き分けとなりました。
この対局における塚田九段の最後まで粘り続けた姿勢を賞賛する人もいれば、「棋譜が汚す」と考える人もいました。
ただし、昨今の印象として様々な意見や価値観があるというのは前提として「汚す」「汚れる」といった侮蔑の言葉で評価するのは避けられる傾向にあります。
「棋譜を汚す」の例文・用例
棋譜を汚すを使った例文・用例を紹介します。
●負けるのが悔しくて棋譜を汚し続けた。
●棋譜を汚す行為は、棋士としてあるまじきことだ。
SNSでの「棋譜を汚す」の使われ方
「棋譜を汚す」の類義語
棋譜を汚すの類義語はありませんでした。
「棋譜を汚す」の対義語・反意語
棋譜を汚すの対義語は、「早投げ」です。
早投げとは、あっさり投了してしまうことです。