「強手」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「強手」の意味とは
強手とは、大駒や金駒のような価値の高い駒を戦術的に犠牲にする手のことです。
読み方は「きょうしゅ」です。
「きょうて」や「つよて」等と間違われやすいので注意しましょう。
例えば、後手(△)が「3一歩」「1一香」「3二金」「4三金」「2一玉」という布陣を構えていて、先手(▲)が「4一龍」を配置している状況を思い浮かべてください。
龍は非常に有用な駒の一つですが、あえて「▲4三龍」に進めて相手の金を獲得し、「△同金」と後手に大駒を取らせます。
そこで入手した金を「▲2二金」と繰り出せば、詰みとなり先手の勝利が決まります。
上記のような短期的な展開のみならず、数手先の駒得や詰めろ、必至、詰みなどの成果を見越して、あえて価値の高い駒を捨てるような高度なテクニックに対して「強手」と評価します。
このように大胆な手を賞賛する意図で用いられることが多いですが、必ずしも犠牲にした駒に見合う成果を得られるとは限りません。
そのため、強力な駒を捨てる行為そのものを「強手」と呼称する場合もあります。
「強手」に関連する格言
強手に関連する格言として「終盤は駒の損得より速度(しゅうばんはこまのそんとくよりそくど)」があります。
序盤において強力な駒を得たり、あるいは簡単に相手に渡さないようにすることは大切です。
しかし、相手の玉を詰ませなければならない終盤になっても、駒の標準的な価値にこだわって、寄せるために犠牲にするのを躊躇していては負けてしまいます。
時には、寄せるために必要な小駒の入手や相手の陣形を崩すことを優先し、大駒や金駒を切る判断も必要だということです。
例えば、以下のようなケースです。
・自分の角を切って、相手の桂馬を手に入れ、その桂馬で玉を詰ます
・玉を誘導したい方向に大駒を隣接させて玉に取らせる。
・相手の大駒や金駒を獲得するために、寄せや効きを逸らしたりしない。
といったように、この格言の中には強手の重要性が含まれています。
ただし、万が一強手を放って玉が詰むまで攻め切れなかった時に、相手の反撃を受けるだけの戦力が残っていない…なんていう事態になりかねません。
そのため、終盤でも慎重かつ入念に戦略を立ててから強手を実行する必要があります。
「強手」の具体的な事例
強手の具体的な事例として、2011年6月30日に行われた第19回富士通杯における羽生善治二冠と青野照市九段の対局が挙げられます。
後手の青野九段は「5三歩」「6五歩」「4五銀」「5五銀」「6三金」「4三角」「5四玉」という布陣を構えていました(※周囲の譜面は割愛)。
そこで、先手の羽生二冠は「▲6五馬」と強手を打ちました。
「△同玉」「▲4四歩」「△同金」と続き、「▲6六金直」と押し上げて後手の入玉を阻みました。
「強手」の例文・用例
強手を使った例文・用例を紹介します。
●飛車を切って強手に打って出た。
●強手がかえって反撃を受ける時の戦力を削ってしまった。
SNSでの「強手」の使われ方
#ShogiLive 夏芽@大阪>第31期女流王位戦五番勝負第3局▲里見香奈女流王位-△加藤桃子女流三段戦は、里見女流王位が角を見捨てて、穴熊の端を攻める強手を繰り出しました。中盤戦の勝負どころ、このあと形勢はどちらに傾くでしょうか。 pic.twitter.com/wB2u8DVYbC
— 日本将棋連盟モバイル【将棋連盟ライブ中継】 (@shogi_mobile) June 17, 2020
朝日杯
▲西山朋佳女流三冠―△中座真七段戦は西山女流三冠の勝利!終盤の▲6八飛!が自ら玉を危険にさらす強手??
西山先生の将棋は観ていて本当に面白い。
強すぎでカッコよすぎです。先日のパターゴルフの効果でしょうか?(絶対ちがう)
— 将棋情報局編集部 (@mynavi_shogi) July 16, 2021
「強手」の類義語
強手の類義語はありませんでした。
「強手」の対義語・反意語
強手の対義語・反意語はありませんでした。