「テンポルバート」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「テンポルバート」の意味とは
テンポルバートとは、速度を自由に加減して、自由な速さでという意味です。楽曲の基本的なテンポは崩さずに、個々の音符の長さを変化させて演奏することをさします。
単にルバート、またほぼ同じ意味で、ドイツ語のアゴーギグ(Agogik)が使われる場合もあります。
「テンポルバート」の語源
テンポルバートの語源は、イタリア語の「tempo rubato(テンポ・ルバート)」です。
もともと「tempo rubato」とは「テンポを盗む(rubare)」という意味があります。
「テンポルバート」の特徴
テンポルバートは、音楽の速度記号の一つで、自由な速さで演奏することを指示する語です。
テンポルバートの記号がある箇所では、楽曲中の特定の音や楽句のテンポを、演奏者の主観で自由に変えることができます。
「テンポルバート」の表現の広がり
テンポルバートのように、演奏の速度を指示する語は他にもさまざまあります。
・tempo ad libitum(テンポ・アド・リビトゥム)…自由な速度で。速度を「アド・リブ」で演奏するという意味です。速度はテンポルバート以上に演奏者に任せられます。
・tempo giusto(テンポ・ジュスト)…正確な速さで。速くなったり、遅くなったりせずに、一定の得度を保って。テンポルバートなどの後に拍子やテンポをもとに戻す時にも用いられます。
・in tempo(イン・テンポ)…正確なテンポで。一定の速度で、正確な拍子を感じて演奏することです。
・tempo di ~(テンポ・ディ~)…~のテンポで。たとえば、「tempo di valse」は「ワルツのテンポで」、「tempo di marcia」は「行進曲の速さで」というように用います。
・a tempo(ア・テンポ)…もとの速さで。
・tempo primo(テンポ・プリモ)…最初の速さで。楽曲の途中で速度が変化した後に用いられます。曲の冒頭の速度で演奏する、という指示です。
「テンポルバート」の例文・用例
テンポルバートを使った例文・用例を紹介します。
●テンポルバートで演奏する。
●ショパンのピアノ曲にテンポルバートが多くみられる。
SNSでの「テンポルバート」の使われ方
てんって携帯に入力したら、予測変換が展開部とかテンポプリモとかテンポルバートとかなにかいろいろ間違ってる気がする。携帯ではそんなに音楽の話してないはずなのに。
— かわ (@kawa1128) September 18, 2010
久々に聴くリパッティ。
最後の年のショパンのノクターン。
美しい。
清らか・自然、そして気を衒わないように聴かせながらも自然かつ誰にもできないテンポルバート。
なおかつ力強い音楽に根源的な力を感じます。
ピアノ演奏のひとつの美しさの頂点の答えを聴くよう。たまには聴かなあかんな。— ヴラディミール・シゲヴィッツ (@horowitz1989) August 7, 2016
「テンポルバート」の類義語
テンポルバートの類義語は、「アゴーギグ(Agogik)」「センツァ・テンポ(senza tempo)」です。
アゴーギグ(Agogik)はドイツ語で、テンポルバートとほぼ同義です。
センツァ・テンポ(senza tempo)はイタリア語で、もともと「テンポをなしに」という意味で、テンポルバートと同様に「速度を自由に加減して」という意味になります。
「テンポルバート」の対義語・反意語
テンポルバートの対義語は、「テンポジュスト(tempo giusto)」です。
意味は、「正確な速さで」「速くなったり、遅くなったりせずに、一定の速度を保って」です。