「桂頭の銀」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「桂頭の銀」の意味とは
桂頭の銀とは、将棋で相手の桂馬と向かい合うように銀を置いて受けることです。
「けいとうのぎん」と読みます。
銀の行動範囲は縦と斜め前後の一マスであるため、桂馬の前に打つ(または指す)ことで次の手で取れることはもちろん、桂馬が左右どちらに飛んだとしても銀の射程から逃れることはできません。
そのうえ、相手の桂馬は縦に進めないため、目前の銀を取ることは不可能です。
例えば、先手が1六歩、3六歩の陣形で、持ち駒として銀を持っているケースを想像してください。
もし、後手が△2四桂と迫ったら、上記2つの歩のうち1つがいつでも取られてしまうような状況になりますが、持ち駒を▲2五銀に打つことで両方の歩の位置に利きがあるため、少なくとも駒交換に持ち込むことが可能です。
このように、桂馬一枚による攻めであれば、銀一枚持っているだけで安全かつ有効に受けることができます。
最も基本的な受けの一つであり、持ち駒に銀がある場合には、桂頭の銀を打っておいて損は無いとも言われています。
また、「桂先の銀定跡なり(けいさきのぎんじょうせきなり)」という格言もあり、桂馬の攻めに対する桂頭の銀の有効性が古来より評価されていることがわかります。
ただし裏を返せば、相手の持ち駒に銀がある時に桂馬で攻めるのは慎重を要さねばなりません。
「桂頭の銀」の実戦例
桂頭の銀は公式戦・非公式戦を問わず、頻繁に繰り出されることの多い手です。
例えば実戦で用いられたケースとして、2018年に行われた『第31期 竜王戦七番勝負』第5局における羽生善治竜王と広瀬章人八段の勝負を挙げることができます。
93手目において先手・羽生竜王は4五に桂馬を打ちましたが、これに対応する形で96手目に後手・広瀬八段が4四銀を打ち、桂頭の銀を繰り出しました。
「桂頭の銀」以外の銀の手筋
「桂頭の銀」以外で銀を活用した有効な手筋として、以下の2つが有名です。
・割り打ちの銀
・腹銀
各手筋について説明します。
割り打ちの銀
割り打ちの銀は、相手の飛車と金が1マス空けて横並びになっている時に、斜め後ろに銀を打って両取り(※)を狙うことです。
(※両取りとは、ある駒が相手の2つ以上の駒に利いている状態のことです)
例えば、後手の駒が5二金、7二飛に配置されている場合に、先手が6一銀に打つことで両取りを繰り出せます。
腹銀
「はらぎん」と読みます。
腹銀は、相手の玉の右横、または左横に銀を打つことです。
銀は真横に動けないため、すぐに詰ませることはできませんが、前後斜めの利きによって相手玉の逃走を予防します。
「玉の腹から銀を打て」という格言が知られているほど、終盤の局面において厳しい寄せになりやすいです。
「桂頭の銀」の例文・用例
桂頭の銀を使った例文・用例を紹介します。
●持ち駒に銀があるから桂頭の銀で受ける。
●攻め駒として桂馬を指したいが、相手の桂頭の銀が懸念される。
SNSでの「桂頭の銀」の使われ方
【将棋格言BOT】桂頭の銀定跡なり……………………………………………………………………………………….
— 十六夜@襲撃垢 (@i_z_ayoi) March 15, 2022
将棋絶不調期に入りました?桂頭の銀!とかいいながらこんなとこに銀打つほどの症状ですw
はやく普通に戻りたいが? pic.twitter.com/SPDH37x4Gm
— えるおーね@福岡(4才兄・2才妹)将棋ウォーズ1級 (@ellione429) March 14, 2022
「桂頭の銀」の類義語
桂頭の銀の類義語はありませんでした。
「桂頭の銀」の対義語・反意語
桂頭の銀の対義語・反意語はありませんでした。