「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」とは?意味と例文が3秒でわかる!

「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」の意味とは

傍若無人とは、他人や周囲のことを考えずに、勝手な振る舞いをする様を表す四字熟語です。

「ぼうじゃくぶじん」と読みます。

自分勝手な振る舞いをした結果、「他人や周囲に迷惑をかけている」点が重要です。

他人に縛られず思うがままである様を表す「自由奔放」「天真爛漫」のように「自由さ」「無邪気さ」を称える文脈では用いられません。

また「猪突猛進」のように、周りを気にせずとも目標に向かうような勇猛果敢さを表現するものでもないです。

「傍若無人」は周囲を思いやろうともしない、ただただ不愉快な人物に対して批判的に用いられます。

そのため、一般的に「傍若無人」を本人に直接言うのは、はばかられる傾向が強いです。

使用される文脈として、例えば以下のようなシーンが適切です。

「上司の傍若無人な態度には腹が立つ」
「あの時は若気の至りで傍若無人な振る舞いをしてしまったかもしれない」

このように、主に「~態度」「~に振る舞い」などの言葉と一緒に使用されます。

「傍若無人」の語源

「傍若無人」の語源は、中国前漢の時代に司馬遷によって編纂された歴史書『史記』です。

この書の中で、燕(えん)国の太子である丹(たん)が秦(しん)の王(後の始皇帝)を暗殺するべく、荊軻(けいか)という人物を刺客にさしむける…というエピソードが物語られています。

刺客として送り込まれた荊軻の人柄を表す記述の中に「傍若無人」を見つけることができます。

「傍らに人無きが若し(かたわらにひとなきがごとし)」

暗殺を請け負う刺客にしては、書を嗜み、社交的な性格を持ち合わせていた荊軻は、仲間たちと街で飲んだり楽器弾いて楽しむのを好みました。

酒が回ってくると人目もはばからずに仲間と大声で泣き叫ぶような「傍若無人」な人物として評されています。

「傍若無人」の英語表現

傍若無人を英語で伝えたい場合、以下のような表現が近いです。

・arrogance
・insolence
・audacity

いずれも「傲慢さ」「大胆さ」を表す英単語です。

「傍若無人」が用いられている作品

文学作品の中で「傍若無人」が用いられている一文を数例紹介します。

・大江健三郎『日常生活の冒険』
「卑弥子はなにも聞かなかったようにしばらく黙っていた。それから欲求不満の女子大生みたいに傍若無人に醜みにくい高笑いをした」

・遠藤周作『沈黙』
「夕陽にかがやいた山門の背後にさして大きくない寺が見える。うしろは、崖の茶色の切りたった山につづいている。庫裏はうす暗く、ひんやりとして板の間には二、三羽の鶏が傍若無人に歩きまわっていた」

・城山三郎『官僚たちの夏』
「 十分近くも待たせたので、よほど重要な用件かと思えば、絵葉書をとり出して来て、うれしそうに眺めている。不届きな男、うわさ以上に傍若無人なやつだと思った」

「傍若無人」の例文・用例

傍若無人

傍若無人を使った例文・用例を紹介します。

✓例文・用例

●年上だからって傍若無人な振る舞いはありえない。
傍若無人な態度のままでは、部下は付いてこないよ。

SNSでの「傍若無人」の使われ方

「傍若無人」の類義語

傍若無人の類義語は、「得手勝手(えてかって)」「眼中無人(がんちゅうむじん)」「傲岸不遜(ごうがんふそん)」「放辟邪侈(ほうへきじゃし)」です。

「得手勝手」とは、自分に都合の良い事ばかり考え、他人や周囲のことに構わないことです。

「眼中無人」とは、人を人とも思わずに、おごりたかぶることです。

「傲岸不遜」とは、人を見下して、威張っていることです。

「放辟邪侈」とは、わがままに悪事を働くことです。

「傍若無人」の対義語・反意語

傍若無人の対義語は、「遠慮会釈(えんりょえしゃく)」です。

「遠慮会釈」とは、慎ましく控えめで、他人を思いやることです。

ただし「遠慮会釈もない」というふうに否定表現で用いられることが多いです。