「呉越同舟(ごえつどうしゅう)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「呉越同舟(ごえつどうしゅう)」の意味とは
呉越同舟とは、敵対関係やライバル関係にある両者が同じ場所や境遇にいることです。
また、ある状況下で両者の利害が一致し、一時的(あるいは継続的)に協力し合うことを指します。
例えば「共通の災害に見舞われ、不仲だった人と一時的に助け合うことになった」等のような場合です。
また、個人同士の関係だけでなく、対立している企業や国家など組織の間でもしばしば起こり得ます。
例えば、ライバル企業同士の合併や合同プロジェクトへの参画などが典型的な例です。
敵対している国家間においても両国に不利益な国際ルールに対抗して一時的に協力関係を築くケースや、大国の軍拡にともない敵対する小国同士が急接近するケースもあり得ます。
このように、呉越同舟はあくまで「ライバル関係」「敵対関係」「不仲な関係」であることが前提とした表現であり、元々良好な関係である二者が協力するケースは該当しません。
「呉越同舟」の語源・由来
呉越同舟の語源は、中国春秋時代の戦術家「孫武」の著作と考えられている兵法書『孫子』です。
『孫氏』の九地篇において、以下の記述があります。
「夫呉人與越人相惡也 當其同舟而濟、遇風、其相救也、如左右手」
意訳すると「呉と越は宿敵同士だが、同じ船に乗り合わせている時に大風が吹いたら、両者は左右の手のように協力し合うだろう」と読めます。
春秋・戦国時代の中国は、「秦」に統一されるまで複数の国に分かれていました。
そのうちの2国に「呉」と「越」がありました。
両者は父祖以来、38年にも渡って戦いを繰り広げたほどの宿敵同士であり、「呉越」は仲が悪いことのたとえとされていました。
そんな呉と越の関係であっても、同じ船に乗り合わせて災害に見舞われれば、心を一つにして助け合う(と考えられる)と説いています。
この逸話を四字熟語に凝縮したのが「呉越同舟」です。
以来、敵対・ライバル関係にある両者が協力することの表現として用いられるようになりました。
「呉越同舟」の英語表現
呉越同舟を英語で伝える時、以下のような表現が一般的です。
「bitter enemies in the same boat」
(同じ船に乗っている宿敵同士)
「in the same boat」は「同じ船に」を指しますが、英語圏においても「同じ状況(立場)」のたとえとして用いられています。
あるいは、以下の表現も呉越同舟と同じ意味を持ちます。
「Woes unite enemies(またはWoes unite foes)」
(災いは敵同士を結束させる)
「呉越同舟」の例文・用例
呉越同舟を使った例文・用例を紹介します。
●ライバル関係にあった大手二社が呉越同舟で業務提携を組んだ。
●呉越同舟といっても、やはり水と油だ。
SNSでの「呉越同舟」の使われ方
いっそのこと、リゾート開発会社やホテル会社が呉越同舟で共同出資して鉄道会社を設立して富良野~新得間と小樽~長万部間を引き取り、観光・遊覧鉄道・施設アクセス鉄道として再生できないものか。
— 枝郎 (@edaroh) February 4, 2022
呉越同舟?? pic.twitter.com/RSu3bCJLY0
— のんちゃん (@nosue0723) February 3, 2022
「呉越同舟」の類義語
呉越同舟の類義語は、「楚越同舟」「共同戦線」です。
楚越同舟とは、呉越同舟と同じ意味です。
共同戦線とは、利害が一致している事柄を追求するために一時的に手を組むことです。
「呉越同舟」の対義語・反意語
呉越同舟の対義語・反意語はありませんでした。