「向付」とは?意味と例文が3秒でわかる!

2021-06-07

「向付」の意味とは

向付とは、 懐石料理で出される刺身や酢の物のことで「むこうづけ」と読みます。

向付に使用される食材はさまざまですが、基本的には旬の野菜や魚介類などを使い、素材を生かした方法で調理して季節感を出すことが多いです。寒い時期には、刺身や酢の物に限らず温かい料理を提供することもあります。

また、料理だけでなく、向付を盛り付ける器のことも「向付」と呼ぶことがあります。

「向付」の由来

向付の由来を説明する前に、まず「懐石料理」について説明しなければなりません。

懐石料理は茶道から生まれた言葉で、茶会で出される軽い食事のことを指していました。濃い抹茶(濃茶)を空腹の状態で飲むと刺激が強すぎるため、その前に軽く食べておかなければならないということで、懐石料理が出されていたのです。

懐石料理を食べる際に最初に出される料理は、ご飯もの、汁物、そして向付の3品です。

食べる人から見ると、手前にご飯ものと汁物が置かれ、その奥、つまり向こう側に酢の物や刺身が置かれたことから、それらを「向付」と呼ぶようになったんですね。

「向付」として出される料理の例

向付として出される料理にはさまざまなものがありますが、いくつか例を紹介します。

  • 鯛の昆布締め
  • まぐろと海老と赤貝の3点盛り
  • いかのお造り
  • にんじんのなます
  • 大根と鴨のふろふき
  • ホタテの酢味噌和え

「向付」の器について

向付を食べ終わった器は、その後に出てくる料理の取り皿としても使われます。そのため、料理を提供する人は向付の器選びにも気を遣っています。

向付の器にはいくつか種類があります。浅いお皿の形をした器は「平向」、お椀型の深めの器は「深向」、コップのような形をした器は「筒向」と呼ばれています。

夏は平向や涼しげな印象の青い染付の器を使い、冬は濃い色の深向に温かい料理を盛り付けるなど、向付の器を変えることによって季節感を演出することができます。

「向付」の例文・用例

向付

向付を使った例文・用例を紹介します。

✓例文・用例

●懐石料理の向付で、今が旬のさわらを使ったお造りをいただいた。
●高級感あふれる古伊万里の向付を購入したので、届くのが楽しみだ。

SNSでの「向付」の使われ方

「向付」の類義語

向付の類義語は「向(むこう)」「お向」です。懐石料理で出される刺身や酢の物のこと、もしくはそれらの料理が盛り付けられている器のことで、単に向付を言い換えた言葉になります。

「向付」の対義語・反意語

向付の対義語・反義語はありませんでした。