「向付」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「向付」の意味とは
向付とは、 懐石料理で出される刺身や酢の物のことで「むこうづけ」と読みます。
向付に使用される食材はさまざまですが、基本的には旬の野菜や魚介類などを使い、素材を生かした方法で調理して季節感を出すことが多いです。寒い時期には、刺身や酢の物に限らず温かい料理を提供することもあります。
また、料理だけでなく、向付を盛り付ける器のことも「向付」と呼ぶことがあります。
「向付」の由来
向付の由来を説明する前に、まず「懐石料理」について説明しなければなりません。
懐石料理は茶道から生まれた言葉で、茶会で出される軽い食事のことを指していました。濃い抹茶(濃茶)を空腹の状態で飲むと刺激が強すぎるため、その前に軽く食べておかなければならないということで、懐石料理が出されていたのです。
懐石料理を食べる際に最初に出される料理は、ご飯もの、汁物、そして向付の3品です。
食べる人から見ると、手前にご飯ものと汁物が置かれ、その奥、つまり向こう側に酢の物や刺身が置かれたことから、それらを「向付」と呼ぶようになったんですね。
「向付」として出される料理の例
向付として出される料理にはさまざまなものがありますが、いくつか例を紹介します。
- 鯛の昆布締め
- まぐろと海老と赤貝の3点盛り
- いかのお造り
- にんじんのなます
- 大根と鴨のふろふき
- ホタテの酢味噌和え
「向付」の器について
向付を食べ終わった器は、その後に出てくる料理の取り皿としても使われます。そのため、料理を提供する人は向付の器選びにも気を遣っています。
向付の器にはいくつか種類があります。浅いお皿の形をした器は「平向」、お椀型の深めの器は「深向」、コップのような形をした器は「筒向」と呼ばれています。
夏は平向や涼しげな印象の青い染付の器を使い、冬は濃い色の深向に温かい料理を盛り付けるなど、向付の器を変えることによって季節感を演出することができます。
「向付」の例文・用例
向付を使った例文・用例を紹介します。
●懐石料理の向付で、今が旬のさわらを使ったお造りをいただいた。
●高級感あふれる古伊万里の向付を購入したので、届くのが楽しみだ。
SNSでの「向付」の使われ方
春色の向付 pic.twitter.com/EWDm50BwIw
— ひめぞう (@himezo) March 23, 2021
懐石料理の流れ(前半)
1飯椀と汁椀のふたを同時にあける
2飯椀のふたを下に汁椀のふたを重ねて、膳の右側に置く
3ご飯と汁を交互に食べる
4この時点では向付には手を付けない
5ご飯と汁を食べ終えてから、亭主が客に酒をすすめる
6酒をいただいてから向付に箸をつける#和食#マナーpic.twitter.com/zQf2fZaWW7— 小林大介 (@wasyokunoumami1) March 23, 2021
「向付」の類義語
向付の類義語は「向(むこう)」「お向」です。懐石料理で出される刺身や酢の物のこと、もしくはそれらの料理が盛り付けられている器のことで、単に向付を言い換えた言葉になります。
「向付」の対義語・反意語
向付の対義語・反義語はありませんでした。