「回し団扇」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「回し団扇」の意味とは
回し団扇とは、相撲で誤って敗者に勝利判定を出してしまった行司が、とっさに軍配を勝者に向けなおして誤審を誤魔化す行為のことです。
「回し団扇(うちわ)」の団扇とは「軍配(ぐんばい)」のことです。
軍配は「軍配団扇」の略称で、かつて戦の際に武将が自軍の指揮に用いた道具です。
戦国時代に武士階級が相撲を取る時にも、勝敗の裁定をする道具として軍配を用いていたことから、相撲のみならず様々な勝負毎に使われるようになりました。
相撲では、取り組みの際の勝敗の裁定をするのは「行司(ぎょうじ)」と呼ばれる人物・役職です。
「審判規則」において行司は軍配を使用することが義務付けられています。
勝敗を見定め、勝者に向かって「軍配を上げる」のが行司の仕事で、高度な観察力と即断力が求められます。
時として勝敗判定を見誤ることがあり、敗者に向かって軍配を上げてしまうことを「差し違え」と言います。
力士と同様に行司にも階級があり、差し違えが多いと降格されてしまったり、出生競争で大きな遅れを取ってしまいます。
このような不利益を避けるためか、片方の力士に軍配を上げたものの、すぐに誤審だと気づいて、とっさにもう片方の力士に軍配を向ける「回し団扇」と呼ばれる行為が行われるケースもあります。
一般的に軍配をぐるりと回すような動作になることから、「回し~」と呼称されていると考えられます。
回し団扇をした結果、判定が正しければ「差し違え」とは見なされませんが、行司の間では「差し違え」と同じくらいの恥だと見なされています。
「回し団扇」と「差し違え」の違いは?
回し団扇と関連性の高い相撲用語として「差し違え」を挙げることができます。
「差し違え」とは、本来は敗者であるはずの力士に軍配を上げて、勝利判定してしまう行為を指します。
土俵下の審査委員や控え力士からの物言いと協議の結果、行司の判定に誤りがあれば「差し違え」と認定されます。
また、力士が負けることを「黒星がつく」と表現されますが、差し違えは行司にとって負けを意味するため「行司黒星」などと揶揄されることもあります。
「差し違え」は他のスポーツにおける「誤審」と同様な意味を持ちますが、行司が裁定できるのはあくまで勝敗のみで、取り組み時における反則や禁手の有無を判断する権限は与えられていません。
そのため、行司が軍配を上げた力士が、反則や禁手によって敗者と判定された際には、行司の「差し違え」とはならず、出世や名誉に響きません。
一方、「まわし団扇」は軍配を上げた瞬間に行司自身が誤審だと気づき、すぐに本来の勝者に上げ直す行為です。
そのため、多くの場合(※)、最終的には正しい裁定を下すことになります。
※まわし団扇をする前の判定が正しく、後の判定が誤りの場合もあります。
「回し団扇」の例文・用例
回し団扇を使った例文・用例を紹介します。
●回し団扇で誤審を誤魔化す。
●行司にとって回し団扇は恥です。
SNSでの「回し団扇」の使われ方
立行司の回し団扇珍しくないか。それにしても正代は伊之助困らせすぎ。伊之助さん進退伺のストックを両国たかはしに注文してるとかしてないとか。
— 一十四?? (@minogakoi) January 22, 2021
回し団扇 #sumopic.twitter.com/J1EiCLXZvK
— Bernstein (@godspeed_9) March 14, 2021
「回し団扇」の類義語
回し団扇の類義語はありませんでした。
「回し団扇」の対義語・反意語
回し団扇の対義語・反意語はありませんでした。