「大局観」とは?意味と例文が3秒でわかる!

2021-06-30

「大局観」の意味とは

大局観とは、将棋などのボードゲームにおいて、広い視野でその勝負全体を見て、自分は今有利なのか不利なのかを判断できる力のことで「たいきょくかん」と読みます。

大局観を身につけると、その一手だけを見て短絡的な手を指すのではなく、最終的に勝負に勝つためには今どのような手を指せばいいか判断できるようになります。

「大局観」の語源

「局」とは、将棋の盤やそれを使って行われる勝負のことをいいます。また、将棋における勝負数の単位としても使われており、例えば一回勝負することを「一局指す」といいます。

そして「局」に「大」をつけた言葉が「大局」。この場合の「大」は「大きい、重要な」という意味ではなく「全体を広く見渡す」という意味になります。また「観」とは「ものの見方や捉え方」を表します。

「大局」と「観」を合わせて、「全体を広く見渡して勝負するときの見方や捉え方」という意味になり、将棋などのボードゲームにおいて、先の先をイメージして最終的に勝てるよう判断する力をそう呼ぶようになりました。

現在はボードゲームの他に、ビジネスや投資の世界などでもよく使われる言葉となっています。

「大局観」を養うためにはどうしたらいい?

ここからは、将棋において大局観を養うためにはどうしたらいいか紹介していきます。

対局を観る

まずは、対局を観戦することから始めましょう。将棋のプロは、研ぎ澄まされた大局観を持っています。そんなプロ棋士の対局を観て、指し手を覚えて真似してみることで、自然に大局観が身につくようになります。

プロの指し手を覚えるだけでなく、自分だったらここでどんな手を指すか、考えながら観戦するのもおすすめです。

本を読む

将棋に関する書物(棋書)を読んで、広い視野を持って対局するための考え方に触れるのもいいでしょう。さまざまな棋書がありますが、下記にいくつか例を挙げておきます。

  • 羽生善治「上達するヒント」(浅川書房、2005年)
  • 谷川浩司「将棋に勝つ考え方ー異次元の大局観」(池田書店、1982年)
  • 山崎隆之「逆転のメカニズム」(マイナビ、2013年)

実際に対局してみる

もちろん、実践することでも大局観を鍛えることができます。対局を繰り返すことにより、状況を広く見て、最終的に勝つためには今どうすべきかイメージする癖がつきます。

特に、対局後に相手と今回の勝負を振り返る「感想戦」がおすすめです。対局を振り返って話し合うことで、自分とは異なる考え方に触れることができ、視野が広がるのです。

感性を磨く

大局観は、将棋以外の経験でも身につけることができます。

将棋界のレジェンド・羽生善治プロは、自身の著書「決断力」(角川書店、2005年)で、大局観の基盤になるのが直感力で、その直感力の元となるのは感性だと語っています。

人と話したり、本を読んだり、新しいことに挑戦したりすると、さまざまな刺激を受けることができます。刺激を受けることによって感性が磨かれ、広い視野でものごとを捉える力がつくのです。

「大局観」の例文・用例

大局観

大局観を使った例文・用例を紹介します。

✓例文・用例

大局観を養うには、自分より強い棋士を探してどんどん対局するのが一番だよ。
●幼い頃から将棋をしてきて身につけた大局観が、ビジネスの現場でも役に立っていると感じます。

SNSでの「大局観」の使われ方

「大局観」の類義語

大局観の類義語は、「大局的見地(たいきょくてきけんち)」「大所高所(たいしょこうしょ)」です。

どちらも、細かいことにとらわれずに幅広い視点を持って物事を見る、という意味があります。

「大局観」の対義語・反意語

大局観の対義語は、「枝葉末節(しようまっせつ)」です。意味は「ものごとの本質的ではない、細かな部分のこと」です。

近い意味のことわざに「木を見て森を見ず」というものもあります。ものごとの細かな部分ばかりに目がいって、全体の本質が見えていないことを表しています。