「ルバート」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「ルバート」の意味とは
ルバートとは、テンポを自由に加減するという意味の演奏記号です。「テンポ・ルバート」ともいいます。
「ルバート」の語源
ルバートの語源は、イタリア語の「rubato」です。
これは、イタリア語で「盗む」という意味の「rubare」の過去分詞形にあたります。
なぜ「盗む」が由来になっているかというと、ルバートを指示するフレーズについては「テンポが音符から盗まれた」と捉えていたためです。
これはイタリアの作曲家であるP.F.トージが、著書の中でルバートの演奏法について「テンポの略奪」と表現していることからきています。
「ルバート」の特徴
ルバートという速度記号は、楽譜全体ではなく、ある特定のフレーズのみに適用されるのが一般的です。楽譜全体としてはきちんと指示されたテンポが存在し、「ルバート」の指示があるフレーズのみ、速度を速くしたり遅くしたり、「テンポを揺らして」感情を表現するように演奏するといった技法です。
また、ルバートが適用されるのはあくまで「旋律(メロディー)」の部分のみで、伴奏は指定のテンポを守るようにします。ルバートのフレーズが終わったら、旋律もただちに元のテンポに戻ります。
「ルバート」が使われている楽曲
ルバートは、19世紀に活躍したポーランド出身の作曲家・ピアニストであるショパンによって有名になった速度記号です。
ショパンのピアノ曲「マズルカ第一番嬰ヘ短調」がルバートが登場する最初の楽曲だと言われています。
「ルバート」の例文・用例
ルバートを使った例文・用例を紹介します。
●ルバートはここまでなので、すぐに元のテンポに戻ることを忘れないようにしてください。
●ルバートの演奏法が格段によくなったね。
SNSでの「ルバート」の使われ方
ルバートは技術というよりセンスと思っています。バスラインのキープは16世紀の音楽理論書からずっと語られていること
— teresetta (@tersetta) October 13, 2021
大橋純子さん上手すぎ!伴奏はインテンポなのにルバートのようなたっぷりした歌いっぷり。この人には時間軸を自在に操る能力があるなあ。#うたコン#シルエット・ロマンス#大橋純子
— studio BBI (@hidebbi) October 12, 2021
「ルバート」の類義語
ルバートの類義語は、「アゴーギク(アゴーギグ)」です。
リズムやテンポを意図的に変化させる演奏方法のことです。
「ルバート」の対義語・反意語
ルバートの対義語は「イン・テンポ(in tempo)」「テンポ・ディ・リゴーレ(tempo di rigore)」です。
「イン・テンポ」は正しい速さで、元のテンポでという意味の、「テンポ・ディ・リゴーレ」は厳格な速さで、規定の速さでという意味の速度記号です。