「行雲流水(こううんりゅうすい)」とは?意味と例文が3秒でわかる!

「行雲流水(こううんりゅうすい)」の意味とは

行雲流水とは、自然の流れに逆らわずに行動することを表す四字熟語です。

読みは「こううんりゅうすい」です。

「行雲」を「ぎょううん」と誤読してしまう人も多いので注意しましょう。

行雲流水を文字通りに翻訳すると「空を行く雲、地を流れる水」です。

雲や水は意思を持って動くのではなく、天候や地形などのその時の自然の状態によって動き、また変形します。

このように、決まった形を持たず、その時々によって変化する様子を意味します。

転じて、人間社会において何かに執着したり利己的に行動するのではなく、周囲の状況や変化に身を任せて穏やかに生きることの例えとして用いられることが多いです。

また、そのような生き方を修行の一環として諸国を行脚する禅僧に対する呼称でもあります。

禅僧を呼称する際には「行雲流水」を「雲水」と略する場合があります。

「行雲流水」を使うタイミング

一般的に行雲流水はポジティブな意味合いで使われることが多いです。

例えば以下のように、柔軟に物事を処理したり、考えることができる人に対する評価・賞賛として使ったりします。

「彼は顧客一人一人に適したサービスや対応ができる行雲流水な人物です。」

あるいは、一つのことに固執したり、無理をしている人に対するアドバイスとしても用いることが可能です。

「あんまり考えすぎずに、時には行雲流水にふるまうことも必要だよ。」

一方、以下のようにネガティブな評価として使う場合も稀にあります。

「あの人は意見に一貫性のなくて、自分では何も決められない行雲流水な人だ。」

このように、行雲流水な態度が「周りの状況や空気に流される優柔不断な人」といった良くない印象を与えてしまうケースもあります。

「行雲流水」の語源

「行雲流水」の出典は、11世紀の中国(宋)の官僚だった蘇軾(そしょく)による「謝民師推官与書(しゃみんしすいかんにあたうるのしょ)」です。

これは、蘇軾が当時、推官(すいかん)の地位についていた謝民師(しゃみんし)という人物に贈った書の心得と考えられています。

そこに「如行雲流水(行雲流水のように)」という一文があり、雲が空に浮かぶように、あるいは水が地上を走るように、自然の流れのままに筆を走らせることの大切さを説いています。

このように、本来は書の極意に過ぎませんでしたが、現在では仕事との向き合い方や、人生全般に用いられるようになりました。

「行雲流水」の英語表現

行雲流水の意味を英語に置き換えると、以下のような表現になります。

「let it be」
「let it go」

前者は英国のロックバンド「The Beatles」の名曲のタイトルとして、後者はディズニー映画「アナと雪の女王」のテーマソングとしても有名ですよね。

このように行雲流水な考え方をポジティブに捉える風潮は万国共通なのかもしれません。

「行雲流水」の例文・用例

行雲流水を使った例文・用例を紹介します。

行雲流水

✓例文・用例

●余生は行雲流水で気ままに過ごしたい。
●肩肘を張らずに行雲流水な気持ちでのぞむと良いよ。

SNSでの「行雲流水」の使われ方

「行雲流水」の類義語

行雲流水の類義語は、「雲遊萍寄」「雲烟過眼」です。

雲遊萍寄(うんゆうへいき)とは、物事にこだわらずに自然の流れに身を任せることです。

雲烟過眼(うんえんかがん)とは、物事を考えすぎずに心にとめないことです。

「行雲流水」の対義語・反意語

行雲流水の対義語は、「頑迷固陋」です。

頑迷固陋(がんめいころう)とは、物事に執着して正しい判断ができないことです。

四字熟語

Posted by 杏奈琴湖