「虚心坦懐(きょしんたんかい)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「虚心坦懐」の意味とは
虚心坦懐とは、心にわだかまりが無い状態、または先入観や偏見を持たないことを意味する言葉です。
「わだかまり」とは、主に心に溜まっている恐怖や不安、憎悪などの判断を鈍らせる感情のことです。
これらの雑念が取り払われ、さっぱりとした心境になっていることを「虚心坦懐」と言います。
また、虚心坦懐の境地では先入観や偏見が生まれにくいため、物事を平静かつ理性的に観察することができ、その結果として判断を誤ることが少なくなります。
主に仕事や日常生活における大切な教訓として用いられやすく、また座右の銘として挙げる人も多いでしょう。
例えば、仕事で嫌なことがあり、雑念に振り回されて集中できない時には、虚心坦懐を保てているか自分自身に問いかけ、平常心を取り戻します。
また、後輩が緊張していたり、同僚が落ち込んでいる場合には、虚心坦懐を大切にするようアドバイスをしてあげると良いかもしれません。
「虚心坦懐」の語源や由来は?
虚心坦懐の語源や由来は何でしょう?
まず、「虚心」とは「わだかまりのない心」を意味する言葉です。
「虚」という表現は「うつろ」とも読み、日本では「むなしい」といったネガティブな印象のある言葉ですが、同時に「からっぽ」という意味を合わせ持っています。
そのため「虚心」は「心がからっぽ=心に何も溜まっていない=心にわだかまりがない」と解釈できます。
一方、「坦懐」もまた「わだかまりのない平静な心」を指します。
「坦」は訓読みで「たいら」であり、転じて「安らか」の意味を持ちます。
また「懐」は「胸中」「気持ち」を指すため、「坦懐」と合わせて「安らかな胸中」といった表現になります。
このように「虚心」と「坦懐」といった非常に近しい言葉によって構成されている四字熟語です。
ちなみに「虚心」は諸子百家の道家における書物『老子』をはじめ様々な古典に頻出しますが、「虚心坦懐」という四字熟語に関しては有名な出典はありません。
「虚心坦懐」の英語表現
虚心坦懐の意味を英語で伝えたい場合は、以下のような表現が適しています。
「open mind(偏見の無い心)」
(例)「You have an open mind(貴方は偏見のない心を持っています)」
「without prejudice(偏見なしに)」
(例)I behave without prejudice(偏見なしに振る舞います)」
「to be frank(率直に言うと)」
(例)「To be frank with you, I love her(率直に言うと、私は彼女を愛してます)」
「虚心坦懐」の例文・用例
虚心坦懐を使った例文・用例を紹介します。
●虚心坦懐の気持ちで接する。
●気が散る時は虚心坦懐を心がけよう。
SNSでの「虚心坦懐」の使われ方
「巨人の星」を虚心坦懐に読んだら実に陰鬱としていてすさまじい。明子の涙を真剣に受け止められないやつは何をやってもダメ。
— 竹田純【書籍編集】 (@TJ_paki) November 6, 2021
これまでの評価とこれからの評価は別物だし、自分の評価には当然自分のバイアスかかるからそれは仕方ないとして、なるべく虚心坦懐に現実を受け止めるのが肝要かと
— ラグ (@Lagty_in_2D) November 3, 2021
「虚心坦懐」の類義語
虚心坦懐の類義語は、「虚心平気」「明鏡止水」「公平無私」「無欲恬淡」です。
虚心平気(きょしんへいき)とは、虚心坦懐と同様に「わだかまりのない心」を意味します。
明鏡止水(めいきょうしすい)とは、心に邪念が無く落ち着いていることです。
公平無私(こうへいむし)とは、私利私欲を捨て公平に振る舞うことです。
無欲恬淡(むよくてんたん)とは、執着しない清らかな心のことです。
「虚心坦懐」の対義語・反意語
虚心坦懐の対義語は、「疑心暗鬼」「意馬心猿」「焦心苦慮」です。
疑心暗鬼(ぎしんあんき)とは、疑念から余計な恐怖や不安が生じることです。
意馬心猿(いばしんえん)とは、煩悩に振り回されている状態のことです。
焦心苦慮(しょうしんくりょ)とは、様々な悩みに苦しんでいる状態のことです。