「緩手」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「緩手」の意味とは
緩手とは、将棋で最善とは言えない、中途半端な攻めのことです。
「かんしゅ」と読みます。
意味が似ている将棋用語として「疑問手」があります。
どちらも致命的な悪手ではないものの、良い手とも言えない指し手を意味します。
疑問手は「受けるべき時に攻める手を指す」など、むしろ形勢が少し悪くなる手です。
一方、緩手は「攻めるべき時に攻める手を指したが、厳しさに欠ける」など、形勢が悪くなるほどではないが最善ではない(もっと良い方法があった)手に対して用いられます。
「緩手」以外で指し手を形容する将棋用語
「緩手」のように、指し手の良し悪しを表現する将棋用語が複数あります。
甘い
「甘い」とは、将棋において中途半端な指し手を指します、
「甘い手」というふうに用いられ、この場合「緩手」と同義です。
甘い手が指された時点では形勢に大きな影響はないものの、相手が的確に受けた場合に後々形勢が不利になっていく可能性もあります。
疑問手
「ぎもんしゅ」と読みます。
前述の通り、疑問種は形勢が少し悪くなる指し手のことです。
形勢の変化が小さい場合に用いられる表現です。
一方「互角から劣勢に転じてしまう」など、形勢に(好ましくない)大きな変化が生じた場合には「悪手」と言い換えられます。
悪手
「あくしゅ」、または「あくて」と読みます。
疑問手よりも、明らかに形勢が不利になる手のことです。
「失着」と同義で、「好手」の対義語です。
好手
「こうしゅ」と読みます。
「好ましい手」、すなわち形勢が良くなる手のことです。
「最善手」と同義ですが、最善手は形勢の変化が明らかである場合に用いられる傾向があります。
ちなみに、好手は将棋の格言で用いられやすい言葉の一つです。
例えば「銀は成らずに好手あり」や「金は引く手に好手あり」「焦点の歩に好手あり」等を挙げることができます。
軽い
相手の守備駒に対して、攻め駒が少なかったり、安い駒で指す場合を「軽い」と言います。
相手陣に大打撃を与えるような手でないものの、身軽で速い攻めによってしばしば相手の陣形を崩すのに一役買う場合もあります。
重い
「軽い」の対義語にあたるのが「重い」です。
盤上にある駒が活用し切れておらず、遅い攻めになる場合に用いられます。
辛い
「つらい」ではなく「からい」と読みます。
攻め合いの局面で、あえて受けることで形勢を有利に運ぶ手に対して用いられます。
また、そのような手を「辛い手」と表現します。
明らかに勝てる状況において、さらに安全に勝ちに行く手であり、いわゆる「友達をなくす手」です。
「友達をなくす手」と表現されるのは、真剣勝負でない場合に用いられやすいのに対して、「辛い手」はプロ同士の対局などで使用されます。
「緩手」の例文・用例
緩手を使った例文・用例を紹介します。
●緩手ばかりで厳しさに欠ける。
●緩手ではあるが、相手の守備駒を削った。
SNSでの「緩手」の使われ方
後手藤井竜王が指しやすくなりましたね。
勝ち切れるか、寄せ切れるか、といった局面です。
間違えなければ勝ちでしょう。
渡辺棋王は4八金が緩手だったかもしれません。#棋王戦第2局#石川県金沢市#渡辺明棋王#藤井聡太竜王pic.twitter.com/0dVVDQYwkJ— ユウ観る将@藤井五冠応援 (@shogi_select) February 18, 2023
三間飛車対鳥刺し。図の局面で、1九龍と香車を取ったが緩手だった。47桂馬が鋭い寄せ。以下4八銀、1九龍、4七銀、3七歩成り。寄せの速度が全然違う。 pic.twitter.com/rAWrR7hv2M
— 浅井義貴 (@Yoshitaka_Asai) February 23, 2023
「緩手」の類義語
緩手の類義語は、「甘い手」です。
甘い手とは、厳しさに欠ける中途半端な攻めの指し手のことです。
「緩手」の対義語・反意語
緩手の対義語は、「最善手」です。
最善手とは、その局面において最善と言える指し手のことです。