「ストリンジェント」とは?意味と例文が3秒でわかる!

2021-08-11

「ストリンジェント」の意味とは

ストリンジェントとは、しだいに速くという意味を持つ速度記号です。主に、クラシック音楽の譜面の中で使われることが多いです。

「ストリンジェント」の語源

ストリンジェントは、譜面にはイタリア語で「stringendo」と表記されています。省略して「string.」と表記されることもあります。

元となる言葉である「stringente」は「緊急の、差し迫った」という意味をもつ形容詞です。「~endo」は進行中の動作を表すときに用いられ、英語でいう「~ing」のような働きをします。

「stringente」に「~endo」をつけることで「緊急の状態、差し迫っている状態」を表す単語「stringendo」になり、それが転じて「だんだん速く」という意味を表す音楽記号になったのです。

「ストリンジェント」の音楽用語としての分類

ストリンジェントは、音楽用語の中では「速度記号」に分類されます。速度記号とは、その名の通りどのくらいの速さで演奏するかを指示した記号のこと。

同じく速さを表す音楽記号に「メトロノーム記号」がありますが、これは「単位となる音符を60秒間に何回打つか」を基準に、曲の速さをはっきりと規定している記号です。一方、ストリンジェントのように文字で書かれた速度記号には、はっきりした速さの指定があるわけではありません。その代わりに、ただ単に速さを表すだけでなく「なぜその速さになるのか」という意味も含んでいることが多いです。

例えばストリンジェントの場合、「緊急であることや、差し迫っていることを表現したい」ため、「だんだん速く」という指示になるのです。

「ストリンジェント」が使われている楽曲

ストリンジェントが使われている楽曲を紹介します。

  • チャイコフスキー「四季 12の性格的描写 6月『舟歌』」
  • ドビュッシー「アラベスク 第1番」

「ストリンジェント」の例文・用例

ストリンジェント

ストリンジェントを使った例文・用例を紹介します。

✓例文・用例

●ここからの4小節は、ストリンジェントを意識して吹いてみて。
●楽譜にストリンジェントと書かれているから、だんだんテンポを上げて演奏してみましょう。

SNSでの「ストリンジェント」の使われ方

「ストリンジェント」の類義語

ストリンジェントの類義語は、「アッチェレランド(accelerando)」です。「しだいに早く」という意味を持つ音楽用語です。

ストリンジェントが「意思を持って、追い込まれるように」テンポをだんだん速める、というイメージがあるのに対し、アッチェレランドは「機械的に」速度を速めていく、というイメージがある言葉です。

「ストリンジェント」の対義語・反意語

ストリンジェントの対義語には、「リタルダンド(ritardando)」「ラレンタンド(rallentando)」などがあります。どちらも「だんだん遅く」という意味を持つ音楽用語です。