「トリアージ」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「トリアージ」の意味とは
トリアージは、特定の基準に従い、優先順位を決めることを意味します。
救急医療の現場でよく使われる言葉で、大きな災害や事故などが発生した際に、重症度や治療の緊急性などに基づいて治療の優先順位を決定し、搬送・治療にあたることを指します。
特に、大規模災害が発生した場合などでは、医療資源をはるかに超えた負傷者が発生するため、最大限の救命をおこなうために「トリアージ」の考え方が重要になります。
「トリアージ」の語源
トリアージの語源は「選別」を意味する、フランス語の「triage」です。
「トリアージ」はこれをカタカナ語にしたものですが、日本以外にも世界中で同じ意味で使われています。
医療現場におけるトリアージ
「トリアージ」は、大規模な災害や事故が発生した際に救急度と重症度によって、治療の優先順位を決めるために行います。
具体的には災害現場や病院内などにおいて、医師が順番に診察を行い、その結果によって色分けした専用のラベルが患者の体につけられます。
重症の人ほど治療が優先されるように、ラベルの色で重症度がひと目でわかるようになっています。ラベルの色は以下の4種類です。
- 赤色(緊急):命に関わる状態で緊急の治療が必要
- 黄色(順緊急):医師による治療は必要だが数時間の待機は可能
- 緑色(緊急性なし):比較的軽症で待機可能
- 黒色(生存可能性なし):診察の段階で死亡が確認された場合
「トリアージ」の普及の背景
「トリアージ」という考え方が普及したきっかけは、フランス軍のナポレオン・ボナパルトがエジプトとシリアに侵攻し、多数の負傷者を出した18世紀末。
この時、階級に関係なく重症度に応じて治療するという方法が実践されました。
それから200年以上経った現在もより多くの人の命を救うという目的で「トリアージ」の考え方が実践されています。
しかし、世界中で新型コロナウイルスが蔓延する中、医療従事者たちはこの原則をどのように実践すべきかという課題に直面しています。
コロナ患者が増加し医療リソースが不足している状況において、どのように治療の優先度を決定するべきか、トリアージの判断は誰が行うべきかという課題があるのです。
「3T」について
「3T」とは、「トリアージ(選別)」、「トリートメント(治療)」、「トランスポーテーション(搬送)」からなる、災害時医療において重要な三原則のことをいいます。
災害時に大量の負傷者が発生し、医療需要が医療供給を上回っている状況下で、優先順位を決定し医療行為を行う際に重要な3要素です。
「トリアージ」の例文・用例
トリアージを使った例文・用例を紹介します。
●世界中で新型コロナウイルスの被害が拡大している中では、 トリアージを行う必要がある。
●高熱が出たので診察を受けたところ、新型コロナではないようなので軽症に トリアージされた。
SNSでの「トリアージ」の使われ方
アメリカの実質GDPが年率換算でマイナス32.9%だそうだ。間違いなく歴史の教科書にのる人類史上最大の危機にいま生きている。
新型ウイルスと世界大恐慌のふたつの問題に直面している。いずれ社会的なトリアージがとられるとおもう。https://t.co/IkGT2v0o5b#SNS医療のカタチ pic.twitter.com/00tRVV2Eag
— 幡野 広志 (@hatanohiroshi) July 31, 2020
「トリアージは、本当に最後の最後の手段です。私が気になるのは、いくつもの機関が早々にガイドラインを出してきたことです。ガイドラインは、障害者を切り捨てる口実を与えているようなものです。」https://t.co/Die8DFvvRg
— 島薗進 (@Shimazono) August 4, 2020
「トリアージ」の類義語
トリアージの類義語は、「緊急度識別・識別救急・優先治療・患者選別・優先救護」などがあります。
「トリアージ」の対義語・反意語
トリアージの対義語は、特にありませんでした。