「上意下達(じょういかたつ)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「上意下達」の意味とは
上意下達とは、上長の意志・命令を部下に伝達し、徹底させることです。
「上意」とは役職や階級で「高い地位を持つ者の意向」のことで、「下達」とは「低い地位にある者に伝達すること」を意味します。
組織における基本的な意思決定・伝達方式の一つで「トップダウン(top-down)」の名でも広く知られています。
一般的に、四字熟語として用いられる場合「上長の意志を伝える」だけでなく、その意志の「遂行・徹底」までが意味として含まれています。
あくまで上位者の意向を円滑かつ効率良く実施することを目的とするため、下位者の異論が認められるケースは稀です。
また上意下達の手段として、主に以下の3種を挙げることができます。
1.上位者による直接指示
2.上位者の文書による指示
3.仲介者を媒介とした指示
現代において、上意下達を採用する組織では状況や用途に合わせて使い分けますが、近代以前ではもっぱら「1」以外の方法が主流でした。
下位者の前で上位者が直接伝えるよりも、文書や仲介人を通した方が機密性を確保でき、また上位者の権威性をより印象付けることができたからだと考えられます。
例えば、日本の古代における律令制では「符」と呼ばれる公文書によって、下級の官司に命令が下されました。
また、江戸幕府において将軍の命令は老中によって作成された「奉書」によって布告されていたそうです。
「上意下達」の「下達」はカタツ?ゲダツ?
上意下達はよく「じょういげだつ」と読み間違えられることが多いです。
正しくは「じょういかたつ」です。
ちなみに「上」と「下」が組になっている言葉には「下」を「げ」と読むパターンと「か」と読むパターンとに分かれています。
「げ」と読むパターンとして、例えば「上品・下品」「上旬・下旬」などが挙げられます。
一方、上意下達と同様に「か」と読むパターンとして「上級・下級」「上流・下流」などがあります。
「上意下達」の場合は「下方(かほう)へ伝達する」と覚えれば、「げ」か「か」か迷わなくて済みます。
「上意下達」のメリット&デメリット
上意下達は、大きな組織でも迅速に意思を決定することができ、また速やかに実施することができます。
また、組織全体を上位者の意向に基づき動かすことができるため、余計な混乱が発生しないメリットも挙げることができるでしょう。
一方、デメリットも指摘されています。
例えば、上位者の判断が遅ければ、その分組織の動きも鈍くなります。
また、下位者の意見は軽んじられる傾向が強いため、下位者でなければ気づかない問題点が放置されたままになってしまうケースもあります。
「上意下達」の例文・用例
上意下達を使った例文・用例を紹介します。
●上意下達で速やかに実行する。
●この問題が発生したのは上意下達で現場の声を聞かなかったのが原因だ。
SNSでの「上意下達」の使われ方
自衛隊ほどの体育会系・上意下達の組織にすら内部告発による改革が起こるようになったという時代の変化を歓迎するとともに、そのためにも告発者の名誉は最大限に擁護しなければならない。「国軍の名誉」「方法が好きじゃない」なんてもってのほか
— こなたま(CV:渡辺久美子) (@MyoyoShinnyo) September 29, 2022
ザルジニー総司令官は軍大学の修士論文として、ソ連的な上意下達ではない、米軍的な権限移譲型の組織を研究し、やがてそれをウクライナ軍でも実施するようになり、NATOと共同していく。
ゼレンスキーはロシアに内通しておらず腐敗した軍を改革できる人材として、まだ中間管理職だった彼を大抜擢する。
— ✨わん?にゃん?癒し動画✨ (@SeanKy_) September 27, 2022
「上意下達」の類義語
上意下達の類義語は、「トップダウン」です。
トップダウンは、上意下達と同様に「上位から下位へ指令を行き渡らせること」という意味です。
「上意下達」の対義語・反意語
上意下達の対義語は、「下意上達(かいじょうたつ)」です。
下意上達は、上意下達とは逆に「下の者の意見を上の者に伝えること」という意味です。
「ボトムアップ」とも言います。