「無病息災(むびょうそくさい)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「無病息災」の意味とは
無病息災とは、病気にかかることなく、健康に暮らすことを意味する四字熟語です。
「むびょうそくさい」と読みます。
主に誰かの健康を祈ったり、気遣ったりする場面で用いられます。
神社などで「家内安全」や「夫婦円満」などと共に掲げられることの多い言葉です。
実際に神社では、無病息災のご祈祷を実施している場合もあります。
一般的には、手紙など書き言葉で用いられるケースがほとんどです。
とりわけ年賀状で、最後の一文として「無病息災をお祈り申し上げます」という風に書き添える人も多いでしょう。
ポジティブな表現であるものの、やや固い印象があるためか、頻繁には使用されません。
一年の節目をはじめ、子供の懐妊や生誕、還暦や古希といったお祝いのタイミングで使うのが自然です。
「無病息災」の語源
「無病息災」は「無病」と「息災」とに分けることができます。
それぞれ日本に古くからある言葉です。
「無病」は漢字の並びから想像できるように「病気にかかっていない状態」または「健康な様子」のことです。
日本では室町時代に書かれた文献に散見され、中国では紀元前の書物にも「無病」の記載があるそうです。
一方「息災」は元々「仏の力で災いを止める」という意味の仏教用語です。
「息」は古くから「防ぐ」「止める」「とどめる」といった意味合いを持っています。
例えば、ちょっと一休みすることを「息をつく」と表現することからも、何らかの進行を「止める」意が含まれていることがわかります。
「息災」もまた歴史が古く、日本では鎌倉時代の『徒然草』をはじめ、平安時代の書物にも見つけることができます。
「無病息災」の英語表現
無病息災を英語に言い換える場合は、以下の表現が一般的です。
・sound health(無病息災)
・safe and sound(無事に)
・good health(健康な状態)
ニュースにおける「無病息災」の用例
ニュース記事で「無病息災」が用いられている例を見てみましょう。
『岐阜新聞Web』は22年9月15日付けの記事の中で、10日に岐阜市加納天神町にある真言宗醍醐派の寺院「玉性院」で秋の大祭が催されたことを報道しています。
この催しでは不動明王が祭られており、毎年恒例の柴燈大護摩(さいとうおおごま)と火渡りが行われました。
その時の様子を記者は「護摩壇の前で玉護雅秀住職が無病息災、疫病退散などを祈とうし、玉護康道副住職が火をくべると大きな火柱が上がった」と表現しています。
(参考:https://www.gifu-np.co.jp/articles/-/130474)
「無病息災」の例文・用例
無病息災を使った例文・用例を紹介します。
●ご家族の無病息災をお祈り申し上げます。
●どうか無病息災にお過ごしください。
SNSでの「無病息災」の使われ方
˙
秋の七草は、秋に花の咲く草の中から代表的なものを7種選んだもので、おみなえし、おばな(すすき)、ききょう、なでしこ、ふじばかま、くず、はぎの7種類。春の七草は、粥にして食べて無病息災を祈りますが、秋の七草に特に何かをする行事はなく、単純に見て楽しむものだそうです。#秋の七草
. pic.twitter.com/HPK32PgY9I— ツキとタイヨウと暦 (@_NichiNichi_) September 16, 2022
先日9月9日は重陽の節句でした。別名「菊の節句」とも呼ばれ、菊酒を飲んで長寿や無病息災を祈ります。
『吾妻鏡』建仁元年(1201)9月9日条によれば、将軍頼家が蹴鞠の名手である紀行景と対面した際、思いがけず重陽の日だったので、庭の菊を浮かべた盃を行景に与え、末永い交流を願ったといいます。
— 鎌倉歴史文化交流館 (@kamakura_kmhc) September 15, 2022
「無病息災」の類義語
無病息災の類義語は「息災延命」「無事息災」です。
息災延命(そくさいえんめい)とは、災い無く長生きすることです。
無事息災(ぶじそくさい)とは、病気や災いに見舞われずに平穏に暮らすことです。
「無病息災」の対義語・反意語
無病息災の対義語は、「四百四病」です。
四百四病(しひゃくしびょう)とは、人間がかかり得る全ての病のことです。