「戦戦恐恐(せんせんきょうきょう)」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「戦戦恐恐」の意味とは
戦戦恐恐(せんせんきょうきょう)とは、恐れ怯えている様子、または畏れ慎んでいる様子を表す四字熟語です。
別表記として「戦々恐々」「戦戦兢兢」「戦々兢々」があります。
戦戦恐恐には、以下2つの意味があります。
1.恐れ怯えている様子
2.畏れ(おそれ)慎んでいる様子
以下、両方のニュアンスの違いを確認しておきましょう。
1.恐れ怯えている様子
まず第一に、戦戦恐恐は「恐れ怯えている様子」を表します。
何らかの恐怖に対して、びくびくと身体を震わせたり、緊張している時などに使います。
例えば、こんな場面に使用します。
「綱渡りから落ちないか、戦戦恐恐とつばを飲み込む」
「戦戦恐恐とした表情で、崖の下を覗く」
「激怒する上司を前に、ただただ戦戦恐恐としていた」
2.畏れ慎んでいる様子
また、戦戦恐恐には「畏れ(おそれ)慎んでいる様子」といった意味もあります。
「恐れ怯えている」のとは異なり、尊敬や畏怖する対象・人物に対して、謙虚な姿勢・気持ちになっている時などに使います。
例えば、こんな場面に使用します。
「戦々恐々とした態度で、上官に敬礼した」
「その荘厳で威厳に満ちた空間に、私は戦戦恐恐とたたずむしかなかった」
ただし現在では、この意味で使われることは少なく、一般的には「恐れ怯えている様子」の意味で使用されるのがほとんどです。
「戦戦恐恐」の語源
戦戦恐恐の由来は、中国最古の詩集「詩経」です。
詩経に記されている「戦戦兢兢 如臨深淵 如履薄氷」という一節が、戦戦恐恐の出典にあたります。
意訳すると「薄い氷の上を踏むかのように、また深い淵を覗き込むかのように、畏れ慎みなさい」といったニュアンスです。
現在では「恐れ怯える様子」として戦戦恐恐を使うのが一般的ですが、昔は「畏れ慎む様子」の意味で使われていたことがわかります。
ちなみに、「戦戦」の「戦」を「戦う」の意味と解釈しがちですが、ここでは「戦く(おののく)」の意味です。
「戦く」とは、恐怖のあまり身体や手足が震える様子のことです。
また、原文を見ればわかる通り、本来は「恐恐」ではなく「兢兢」と表記されていたことがわかります。
「兢兢(きょうきょう)」とは、戒め慎むことを指します。
このように「戦々」は恐れ怯える様子、「恐々(兢々)」は畏れ慎む様子の二字熟語として、それぞれ単独で意味を持ちます。
「戦々」「恐々」のように、同じ漢字を2回繰り返す熟語を「畳語(じょうご)」と言い、意味を強調したり明確にするための用法です。
戦戦恐恐は、この2つの畳語を組み合わせて出来たため、「恐れ怯える様子」「畏れ慎む様子」の2つの意味があるのですね。
「戦戦恐恐」の英語表現
戦戦恐恐を英語で伝える時にも「恐れ怯える様子」と「畏れ慎む様子」のどちらの意味で伝えたいかによって表現が異なります。
「恐れ怯える様子」の意味を英語で伝えたい時は、以下の表現がおすすめです。
・in great fear
・filled with trepidation
・tremble with fear
一方、「畏れ慎む様子」の意味で伝えたい時は、以下の表現が良いでしょう。
・be humble
「戦戦恐恐」の例文・用例
戦戦恐恐を使った例文・用例を紹介します。
●父の怒りに触れ、私は戦戦恐恐としていた。
●戦戦恐恐とした気持ちで儀式に臨んだ。
SNSでの「戦戦恐恐」の使われ方
もらったリプに返信してなさすぎて
戦戦恐恐してる(^-^;)どうしても仕事中に投稿したやつのリプ返しは遅くなる… pic.twitter.com/nN3O8GlI1j
— kotaro- (@kotaro65) May 11, 2019
おはようございます。今週は寒波が来ると聞いて戦戦恐恐としている僕です。せめて雪は降らないで欲しいものです。なんてったって僕は雪で転ぶ名人ですから。(開き直って威張っている)
皆さん今週は温かくして過ごしてくださいね?#月曜日pic.twitter.com/hC0S3pQdrz— Q (@MI6_Q_) December 13, 2020
「戦戦恐恐」の類義語
戦戦恐恐の類義語は、「戦々慄々」や「小心翼翼」です。
四字熟語以外の類義語では「慄然」や「恟恟」です。
戦々慄々(せんせんりつりつ)とは、恐怖でおののく意味の四字熟語です。戦戦恐恐と同様な意味ですが「畏れ慎んでいる様子」の意味は持っていません。
小心翼翼(しょうしんよくよく)とは、気が弱くてびくびく震えている様子を指す四字熟語です。
慄然(りつぜん)とは、恐怖のあまり「ぞっとする様子」を表す言葉です。
恟恟(きょうきょう)とは、びくびくしたり、おどおどする様子のことです。
「戦戦恐恐」の対義語・反意語
戦戦恐恐の対義語は、「大胆不敵」や「泰然自若」」です。
大胆不敵(だいたんふてき)とは、度胸があって恐れないことを表す四字熟語です。
泰然自若(たいぜんじじゃく)とは、何事にも落ち着いていて動揺しない様を指す四字熟語です。