「針小棒大(しんしょうぼうだい)」とは?意味と例文が3秒でわかる!

「針小棒大(しんしょうぼうだい)」の意味とは

針小棒大とは、実際よりも大げさに誇張することを意味する四字熟語です。

主に、些細な事柄をあたかも深刻なことのように伝えたり、重要な事柄であってもさらに誇張することで他者の関心を引こうとする行為を指します。

例えば、以下のようなケースです。

・単なる風邪なのに、重病のように誇張する
・小さなミスを、致命的な失敗であるかのように非難する
・個人的に嫌いな表現を、社会的な害悪と喧伝する

このような言動を行う人物や媒体を批判する目的で用いられます。

一般的な用法として「針小棒大に言いふらす」「針小棒大に取り上げる」など動詞を修飾するパターンと、「針小棒大な言説」という風に名詞を形容するパターンとがあります。

「針小棒大」の語源

針小棒大の語源は、日本のことわざの「針ほどのことを棒ほどに言う」です。

捕捉すると「針のように小さい事柄を、棒のように大きい事柄のように言う」という意味です。

これを簡略化して四字熟語にしたのが「針小棒大」です。

ちなみに、中国の古典には語源と呼べるような表現は見つかっていません。

針小棒大と同様な意味を持つ故事成語として「誇大其詞」があります。

「針小棒大」の英語表現

針小棒大の英語表現として「exaggeration」を挙げることができます。

カタカナで読むと「イグザジャレイション」です。

「誇張表現」という意味の名詞です。

例えば、以下のように用いられます。

「Her story was filled with exaggerations.」
(彼女の話は誇張表現に満ちていた)

または、動詞として「overstate(~を誇張して述べる)」があります。

「He often overstates actual survey results.」
(彼はしばしば実際の調査結果を誇張する)

一方、英語のことわざとして針小棒大に近いものとして「Make a mountain out of a molehill」があります。

直訳すると「モグラ塚で山を作る」です。

モグラ塚とは、モグラが穴を掘る時に出来る盛土のことです。

「実際は小さな盛土なのに、まるで大きな山のように言う」という表現で、転じて「小さなことで大騒ぎをする」という意味で用いられています。

文学作品での「針小棒大」の用例

「針小棒大」は文学作品の中でもしばしば用いられています。

歴史小説家の永井路子は『つわものの賦』の中で、針小棒大を以下のように使っています。

「少しでもその材料があれば針小棒大に書きたてるところなのだろうが、情けないくらいこの男は戦さは下手だったのではあるまいか」

また、小説家で文化功労者でもある舟橋聖一の『好きな女の胸飾り』には、針小棒大を含む以下の一説を見つけることができます。

「今日久しぶりに康方が逢いに来たことを、針小棒大に吹聴する可能性がなくはない」

「針小棒大」の例文・用例

針小棒大を使った例文・用例を紹介します。

✓例文・用例

●同僚の悪口を針小棒大に言いふらす。
●プロジェクトの成功は彼女のおかげだと言っても針小棒大ではない。

SNSでの「針小棒大」の使われ方

「針小棒大」の類義語

針小棒大の類義語は、「大言壮語」です。

大言壮語とは、大げさに表現することです。

「針小棒大」の対義語・反意語

針小棒大の対義語・反意語はありませんでした。

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Posted by 杏奈琴湖