「ポコ」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「ポコ」の意味とは
ポコとは、少しという意味を演奏記号に付加する言葉です。「ポーコ」と表記する場合もあります。
「ポコ」の語源
ポコの語源は、イタリア語の「poco」です。
「少しの」「多くない、ほとんどない」といった意味を持つ形容詞のため、単体で使う言葉ではなく、他の演奏記号と組み合わせることで成り立ちます。
「ポコ」の使い方
ポコはそれ単体で譜面に登場することはなく、他の演奏記号と組み合わせて「少し」という意味を付加するという使い方をします。
例えば「だんだん強くする」という意味の「クレッシェンド(cresc.)」に付加する場合は「poco cresc.」という表記になり、「少しだけ、だんだん強く」という意味になります。
付加した演奏記号の効果をやや弱めるようなイメージです。
他にも「だんだん遅くする」という意味の「リタルダント(rit.)」が「poco rit.」となると、「少しずつ、だんだん遅く」といった指示に変化します。
「ポコ」の派生パターン
ポコには派生パターンがいくつか存在するので、いくつかご紹介します。
ポコ・ア・ポコ(poco a poco)
「ポーコ・ア・ポーコ」とも表記し、「少しずつ」「徐々に」という意味を演奏記号に付加します。
例:ポコ・ア・ポコ クレッシェンド(poco a poco cresc.):少しずつ、徐々に強く
ウン・ポコ(un poco)
「ウン・ポーコ」とも表記し、「やや」「少し」という意味を演奏記号に付加します。「ポコ」が「~ほとんどない」というニュアンスを持つのに対し、「ウン・ポコ」は「少しある」というニュアンスを持ちます。
例:ウン・ポコ アダージョ(un poco adagio):少しゆるやかなテンポで
他にも、「すごく少し」という意味の「ポケッティーノ(pochettino)」や「pochissimo(ポキッシモ)」という派生語があります。
「ポコ」の例文・用例
ポコを使った例文・用例を紹介します。
●この場合のポコってどれくらい意味を弱めればいいのかなぁ。
●ポコのさじ加減の解釈も、指揮者によって分かれるよね。
SNSでの「ポコ」の使われ方
たぶん楽譜通りにポコ メノ モッソにしただけなんだろうが。
4楽章も難破の様子が見て取れる演奏だった。 https://t.co/NpcxDye5Pw— つる八郎 (@KeiichiTsuruoka) October 27, 2017
バンドの楽譜ってさ、アンダンティーノとかポコとかフォルテとかドルチェみたいな伊、仏、独、英の音楽記号あるの?
— ツクヨミ (@Thukuyomi_luna) March 25, 2014
「ポコ」の類義語
ポコの類義語は、「メノ(meno)」です。
こちらは「より少なく」という意味を演奏記号に付加する言葉です。「今までよりも」というニュアンスが追加されます。例えば「速く」という意味の「モッソ(mosso)」に付加することで、「今までより遅く」という意味の「メノ・モッソ(meno mosso)」という指示になります。
「ポコ」の対義語・反意語
ポコの対義語は、「モルト(molto)」「ピウ(più)」です。
「モルト」は「きわめて、非常に」という意味を、「ピウ」は「今までよりさらに」という意味を演奏記号に付加する言葉です。
例:モルト・アレグロ(molto allegro):きわめて速く/ピウ・モッソ(piu mosso):さらに速く