「箱入り娘」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「箱入り娘」の意味とは
箱入り娘とは、将棋における囲いの一つです。
「舟囲い」と呼ばれる別の囲いの発展形です。
先手から見た時、7八に玉、6八と6九に金、8八に角が配置されている状態が、箱入り娘の最小要件です。
一般的な箱入り娘では、上記の駒以外に8九に桂馬、9九に香車、9六と8七・7六・6七・5七に歩を配置し、守りを固めます。
一方、箱入り娘で6八にある金を5八に移動させるだけで舟囲いになります。
箱入り娘は主に居飛車の時の急戦で使われますが、実戦で使用されることは稀です。
もともと「箱入り娘」は、なるべく他人との接触を避けるように育てられたお嬢様を指す言葉で、将棋用語ではありませんでした。
玉を娘に見立てた時に、玉が周りの駒に囲まれている様がまるで箱の中に入っているように見えることから、昭和の将棋棋士の加藤治郎によって命名されたと言われています。
ちなみに「堅そうだが手がつくと早いから」という理由で名付けられたのではないかとの俗説も存在します。
「箱入り娘」の利点&弱点
箱入り娘の利点は少ない手数で囲え、金の連結により横からの攻めに強いことです。
舟囲いの5八金を6八金に移動させるだけで、簡単に守りを強化できます。
一方で、他の舟囲いの発展形として知られる左美濃のほうが堅固であるために、実戦で採用される頻度は少ないです。
また、玉の周りを駒でしっかり囲んでしまうため、玉の可動範囲が極端に限られてしまい、囲いが崩されてしまえば、あっという間に詰み…なんてこともあり得ます。
また、横からの攻めには強い箱入り娘も、上部からの攻めに対する防御力は舟囲いと同じです。
さらに玉の周りをほぼ隙間なく埋める箱入り娘は、その分退路が塞がってしまうため、舟囲いよりも厳しい局面を強いられる恐れもあります。
「箱入り娘」の評価
箱入り娘は主に急戦で使用される囲いですが、実戦で採用されるのは少ないです。
例えば、昭和から平成にかけて急戦で採用されるのは左銀を5七に据えた舟囲いで、金駒を左辺に偏らせない戦術が一般的でした。
近年においても急戦時には「elmo囲い」等の金駒3枚で玉を囲むスタイルが増え、AIによって箱入り娘が採用されることも滅多にありません。
箱入り娘が見られた最近の事例では、21年3月2日に行われた第69期王座戦二次予選における糸谷哲郎八段と西田拓也五段の対局を挙げられます。
西田五段の三間飛車に対し、糸谷八段が箱入り娘を使いましたが、西田五段が試合を制しました。
「箱入り娘」の例文・用例
箱入り娘を使った例文・用例を紹介します。
●横からの攻めに備えて箱入り娘を囲む。
●箱入り娘が崩されて一気に寄せられてしまった。
SNSでの「箱入り娘」の使われ方
久しぶりにウォーズ指せた。将棋始めた頃に愛用してた箱入り娘で初勝利!手数をかける程固くなっていく優秀な囲いですよ、箱入り娘は!
将棋ウォーズ棋譜(Ricken4003:2級 vs Ma70:2級) #shogiwars#棋神解析https://t.co/Uv5GTxIvuLpic.twitter.com/eA120D7FE1— りっさん (@brahmssym1) June 6, 2019
箱入り娘という将棋の囲いがありましてね。パッと見堅そうなのですが、その実…。
— 聖祖ラディカルマンタ(双頭の飛翔体) (@radicalmannta) May 1, 2018
「箱入り娘」の類義語
箱入り娘の類義語はありませんでした。
「箱入り娘」の対義語・反意語
箱入り娘の対義語・反意語はありませんでした。