「ストレッタ」とは?意味と例文が3秒でわかる!
「ストレッタ」の意味とは
ストレッタとは、緊迫して、急かされるように速くという意味の演奏記号です。「ストレット(stretto)」とも表記します。
「ストレッタ」の語源
ストレッタの語源は、イタリア語の「stretta」です。
「窮屈な、狭い、閉じた」「締め付けられた」「緊迫した」といった意味の他に「最終局面」と訳されることもあります。
そこから、緊張感のある、緊迫して鼓動が速くなっていくような表現を指示する発想記号(演奏時の心づもりなどを指示する記号。曲想標語)として使われるようになりました。
「ストレッタ」の表現の広がり
ストレッタには、「緊迫して、緊張感を高めて(テンポを速く)」といった指示の他にも演奏手法を指示するために使われることがあります。
フーガにおけるストレッタ
「フーガ」という楽曲形式は、曲の主題が他のパートによって反復されていくという特徴があります。このフーガにおいて、あるパートの主題部分が終わる前に他のパートがたたみかけるように入っていく手法のことを「ストレッタ」といいます。
オペラにおけるストレッタ
セリフを歌によって表現する舞台芸術である「オペラ」では、独唱などの楽曲の終わり(フィナーレ)になると、テンポを徐々に加速して緊張感を盛り上げていく手法を使うことが多くあります。これも「ストレッタ」と呼ばれます。
コーダとストレッタ
オーケストラなどにおいても曲の終止部分である「コーダ」にストレッタが表記されていることがあります。この場合も、終わりに向けてテンポをあげていき、緊迫感を高めていく表現手法が用いられます。
「ストレッタ」が使われている楽曲
例として、下記の楽曲で「ストレッタ」が使われています。
- ベートーヴェン 「交響曲 5 番『運命』」の第4楽章
- ショパン「バラード 4 番 op.52」
- シューマン「謝肉祭 op.9 」の終曲
「ストレッタ」の例文・用例
ストレッタを使った例文・用例を紹介します。
●このストレッタは、追いかけられているようにたたみかけて演奏しましょう。
●ストレッタの緊迫感を出すために指揮者にも鬼気迫るものがある。
SNSでの「ストレッタ」の使われ方
9のロンド=ブルレスケはやっぱり傑作だと思う。この人はアレグロ楽章のストレッタのセンスが抜群なんだ。
— 沢田完 (@sawadakan) September 25, 2019
#カノンをつくる 最終回
最後に、先週書いた2声のインヴェンションをもとに、(カノンの手法を使った)「ストレッタ」のフーガのようなものに仕立ててみました。#ピアノで作曲をpic.twitter.com/cCwd9PyCfl
— 伊藤康英 (ITO Yasuhide) (@itomusic) August 7, 2020
「ストレッタ」の類義語
ストレッタの類義語は、「ストレット」「インカルツァンド(incalzando)」です。
ストレットはストレッタと同義で使われます。
インカルツァンドは「追い立てるように徐々に速く強く」という意味の演奏記号です。
「ストレッタ」の対義語・反意語
ストレッタの対義語は、「カランド」です。
「和らいで、だんだん遅く弱く」という指示を出す演奏記号として使われています。