「ネット私刑」とは?意味と例文が3秒でわかる!

2020-04-03

「ネット私刑」の意味とは

ネット私刑とは、ネット上で見られる私的な制裁のことという意味です。

ネット私刑とは、「インターネット上で見られる、私的な制裁のこと」を表しています。

私的な制裁とは、個人的な判断により制裁を加えることとなるため、次のような行為がネット私刑に当てはめることのできる基準です。

「問題行為(違法行為であってもそうでなくても)を起こした人間に対して、その対象となる人間の個人情報をインターネット上に晒すこと」

ここでいう個人情報とは氏名や顔写真、職場や住所などをさしているため、ネット上に晒された側の人間は私生活にまで影響を及ぼす事があるのです。

特に個人情報を晒された人間が、他の多くのネットユーザーから「問題のある人物」と認識されている場合には事が大きくなる傾向にあります。

ネット私刑によって晒された情報により、それを見た他のユーザーが私刑を盾にして、今度は現実世界で私生活に影響を及ぼすような行為に至るのです。

住所が晒されていれば自宅に、職場が晒されていれば職場になど、直接自宅や職場にまで苦情や嫌がらせ行為が及ぶこともあります。

またこうした反響からの、他ユーザーによる嫌がらせ行為まで含めている点から「私刑」という言葉が使われているのです。

ネット私刑には「ネット」とついているものの、あくまでネット上に個人情報を晒すことを表しているだけで、実際の影響はネットにとどまらず現実世界にまで及びます。

「ネット私刑」の語源

ネット私刑とは「インターネット上で行う私刑」を語源としてこれを略したものとなっています。

つまり「インターネット上」と「私刑」の2単語から作られた単語です。

また「私刑」とは、法律に基づかずに勝手に制裁を加えることを意味しています。
刑を受けるということは、通常は法律に基づき判決が下った上で行われるものです。

しかし私刑の場合にはこうした法律による判断はなく、また違法行為があったとしても制裁を加える人間には裁きを下す権限はありません。

私刑とはあくまで個人的なや、私的なという意味となっており個人の感情などに由来していることが多くなっています。

また私刑には暴力的な制裁というニュアンスも含んでおり、ネット私刑においては日常生活にまで影響が出る点がこれに当てはまっていると言えるでしょう。

「ネット私刑」の法的問題

ネット私刑は、場合によっては法的な問題となる行為なのです。

ネット私刑とは個人情報さえ手に入れてしまえば、誰でも簡単に行うことができます。

さらに相手が問題行為をしていたり、違法行為をしている相手であればよりやりやすい環境が整ってしまうと言えるでしょう。

そのためネット私刑をする側は、正義感が先行して歯止めが効かなくなることがしばしばです。

しかしネット私刑を行うということは、その事実の真偽に関わらず名誉毀損罪に当てはまることを覚えておきましょう。

仮に事実であったとしても、適正な法律による制裁ではないため罪に問われます。

またもし事実でない場合には、無実の人を巻き込むこととなり取り返しのつかない事態にも発展しかねないのです。

正義感が先行しやすい上に誰でも簡単に出来てしまうネット私刑ですが、その行為自体に違法性があるということに注意しましょう。

ましてや無関係の人を巻き込んでいる可能性もあるため、安易にネット私刑をしたり乗っかったりは避けた方が無難です。

「ネット私刑」の例文・用例

ネット私刑を使った例文・用例を紹介します。

✓例文・用例

●最近はやたらとネット私刑 を見かけるけど、その裏側はデマばっかだよな。
●たまに論争されているけど、私はネット私刑 が必要悪とは思っていない。

SNSでの「ネット私刑」の使われ方

「ネット私刑」の類義語

ネット私刑の類義語は、「炎上」です。

炎上とは、ネット上で批判などを多く浴びてしまう状態を指しています。

ネット私刑と同じく、問題行為などがあるとされる人物に対して行われる現象です。

時にネット私刑のように私生活にまで影響を及ぼすこともあり、そういった点で類義語として挙げられるでしょう。

ただしネット私刑の方がより制裁の意味合いが強く、炎上は単に批判や非難といった意味合いの方が強い点に注意しましょう。

「ネット私刑」の対義語・反意語

ネット私刑の対義語は、「法に基づく刑」です。

意味は、適切に法律によって下された刑です。

ネット私刑に限らずですが、私刑に対しての対義語となります。

個人的な感情による制裁ではなく、法律に基づいた制裁です。

そのためネット私刑に対しても、こちらの言葉が対義語になると言えるでしょう。